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tokyo feature : September 25, 2013 @ 14:34

トーキョーシティポップス Vol.8 ──September



アナタのデスクトップライフを、ちょっとだけ楽しくするサウンドデザイン「トーキョーシティポップス」。


日本のシティポップスを中心に選曲した、ハイセンスな架空のコンピレーションアルバム『Japanese Soul for Tokyo City Pops』を、その月のテーマをもって選曲し、お贈りしていきます。



2013年9月のテーマは、「9月」。


そのまんまですけれどね。

たのしかった、いや暑かった夏休みもおわり、現実にひきもどされる9月。


8月よりは、だいぶ過ごしやすくなってきたトーキョーですが、まだまだ夏ののこり香も感じるこの季節。


アメリカ同時多発テロから12年、そして東日本大震災から2年半。

わたしたちは、どのようにたのしく過ごしていけばいいのか。

その答えがココにある、、、のかもしれません。


まったくもって、そんな大ゴトな企画ではありませんが、ダラッと仕事しながら、本を読みながら、”ながら聴き”で、秋の夜長をこの選曲とともに楽しんでいただければ、コレ幸い。


どうぞ、あたらしい音楽との出会いをたのしんでください。





September『Japanese Soul for Tokyo City Pops Vol.8 -September-』





01. 竹内まりや「September」
『Expressions』

1979年にリリースされた竹内まりやの3枚目の大ヒットのシングル曲。
ちなみに2008年にリリースされたベストアルバム『Expressions』から選曲。
作詞に”松本隆”、作曲・編曲に”林哲司”、そしてコーラスに”EPO”と、豪華メンバーが勢ぞろい。
イントロの部分で、思わず「おお!」となってしまういう感じで、個人的にはスゴく好きな曲です。
そして、軽快なメロディに乗るちょっと切ない歌詞。
秋のはじめのサウダージな雰囲気がたまりません。


02. 國分友里惠「スノップな夜へ」
『Relief 72 Hours』

“山下達郎バンド”のコーラスもつとめる”国分友里恵”の1983年にリリースされた、”林 哲司”プロデュースによるデビューアルバムから。
アナログのみのリリースで、中古市場でもかなりの値がついて、なかなか手がとどかなかったシティポップの傑作ですが、この度ついにデジタルリマスター盤のCDが、うれしいリリース。
ギターのカッティング具合といい、ベースのブリブリ具合といい、アーバンな80年代のシティポップサウンドが炸裂。
もちろん、あたりまえだが国分のボーカルもすばらしい。
夏といえば昼の暑い感じの歌だが、秋はやはり夜かなということで。


03. 芳野藤丸「Shang-Hide Night」
『Yoshino Fujimal』

TVドラマ『探偵物語』のテーマ曲「BAD CITY」でおなじみの”SHO-GUN”の中心メンバー”芳野藤丸”が、1982年にリリースした1stソロアルバムから、ちょっとしたオリエンタルアーバンなこの曲を。
彼のアーバンサウンドっぷりは、”AB’S”などを聴いてもわかると思いますが、とにかくこのアルバム、超がつくほどのアーバンざんまい。
80年代前半は、”細野晴臣”や”松任谷正隆”もそうですが、こういったオリエンタルチックなアーバンサウンドがおおかったような気がします。流行っていたんでしょうね、そういう雰囲気が。
その中でもこのサウンドクオリティは、すばらしすぎ。
やはり一流のスタジオミュージシャンなんですよね。
ちなみにコチラも、うれしいCDで再発。


04. 小沢健二「天気読み」
『犬は吠えるがキャラバンは進む』

“フリッパーズ・ギター”を解散し、1993年にソロとなってはじめてリリースしたアルバムから。
シングルとしてもリリースされてますが、こちらのアルバムでは若干ロングバージョン。
このところの異常気象によるものもそうですが、もともと秋は、「女心とナントヤラ」と言われているくらい不安定な天気模様なワケでして、そんな意味も込めましてこの「天気読み」を選曲。
ちなみに、”スティービー・ワンダー”の「DON’T YOU WORRY ‘BOUT A THING」が、ぼんやりと見え隠れするところも、オザケンっぽい曲のつくりですね。


05. Silent Jazz Case Feat. ナイス橋本「In Out」
『Silent Jazz Case』

トランペッターで音楽プロデューサーの”島裕介”のソロプロジェクト”Silent Jazz Case”。
この曲は、”ナイス橋本”のラップをフィーチャーした、アーバンジャズヒップホップとでも言いましょうか。
正統派なジャズサウンドなんですけれど、”泣き”のトランペット具合のせいなのか、ちょっと「和」な雰囲気に感じてしまうこの曲。
海外の都会というよりは、トーキョーの西新宿。
そして、ちょっと寒くなってきた夜の西新宿っぽい雰囲気ということで、この曲を。


06. ASA-CHANG&巡礼「影の無いヒト ~Lehera_tronics MIX~」
『影の無いヒト』

2009年にリリースされた”ASA-CHANG&巡礼”のアルバム『影の無いヒト』から、リード曲「影の無いヒト』の”Lehera_tronics MIX”。
声の出演には、”坂本龍一”と”太田莉奈”、そしていまや『あまちゃん』で大人気の脚本家/俳優の”宮藤官九郎”が参加。
このピリっとタブラの効いたクラーイサウンドが、ちょっとしたサウダージ感を増幅させてくれます。
夏というよりは、秋という感じの雰囲気かな、、、ということで。


07. SAKEROCK「千のナイフと妖怪道中記」
『ホニャララ』

“星野源”ひきいる”SAKEROCK”が2008年にリリースしたサードアルバムからこの曲を。
その名のとおり、”坂本龍一”の「千のナイフ」と、『ナムコ』が1987年にリリースしたファミコンのゲーム「妖怪道中記」のテーマサウンドをマッシュアップ。
なるほど、似てるというか、似すぎなふたつの曲。
ただ、どちらもちょっと切ないメロディが、秋っぽいので、選曲。
マリンバとトロンボーンのチカラの抜けた感じが、またとてもいい感じなんです。


08. □□□「Tokyo」
『everyday is a symphony』

“三浦康嗣”と”村田シゲ”に、”いとうせいこう”が正式メンバーにくわわり、新生”□□□(クチロロ)”となって2009年にリリースしたアルバム。
Everyday is a Symphonyをコンセプトに、その名のとおり日常のあらゆる音を録音、、、いわゆるフィールド・レコーディングし、それら音ネタを再構築。
とくにこの曲、「Tokyo」は、トーキョーというだけあって、東京をコンセプトに、電車にのって、トーキョーを歩きまわるという、東京の生活音をポップサウンドへと組み立てた、まさにシティポップサウンド。
はじめて聴いたときは、かなりコンセプシャルで衝撃を受けました。
こんな曲、このアルバム以外で聴いたコトがないです。
まるで映画のワンシーンの音を聴いているかのような、ナイスシティミュージック。


09. 星野みちる「私はシェディー」
『星がみちる』

2013年7月にリリースされた元AKBのメンバー”星野みちる”のソロアルバム『星がみちる』。
“DJ はせはじむ”とマイクロスターの”佐藤清喜”プロデュースによる、個人的にイチオシのアルバムから、この曲を。
このサウンドを聴いて「なつかしい!」と、ココロに引っかかるヒトはおおいのではないでしょうか。1985年にリリースされた”RAH BAND”の「Clouds Across the Moon」を”リアル”オマージュ(笑)。
このエレクトロポップ感というかギャラクシー感がたまらないです。
彼女の歌声と、このエレクトロポップサウンドがピッタリ合っているとおもっているのはワタクシだけですかね。
夜空、星空、、、秋の夜長ということで。


10. yanokami「終りの季節」
『yanokami』

“矢野顕子”と”レイ・ハラカミ”のプロジェクト”yanokami”。
コチラは2007年にリリ—スされた『yanokami』から「終りの季節」。
ちなみに”細野晴臣”の1973年のファーストソロアルバム『HOSONO HOUSE』に収録されている、曲のカヴァー。
作詞・作曲は、もちろん”細野晴臣”。
しかし、このエレクトロニックサウンドと、矢野さんの声の感じがこれほどまでにマッチする、いやハマりすぎるとはおもいもよりませんでした。
2011年7月27日の”レイ・ハラカミ”さんの急逝によって、残念ながらこのユニットによる音源はこのいちまいだけとなってしまいましたが、とにかくすばらしいアルバムなので、ぜひ買うことをおススメします。


11. 青葉市子と妖精たち「STAR FRUITS SURF RIDER」
『ラヂヲ』


透明感あふれたすばらしい歌声で、さまざまなヒトを惹きつける妖精、”青葉市子”。
この曲は、いわずもがな”コーネリアス”のカヴァーです。
もちろん、”小山田圭吾”本人も参加。
オリジナルがかなりエレクトロニックだっただけに、このオーガニック感でのカヴァーは新鮮。
なんとなんくのレイドバック感が、夏の終わりをイメージさせてくれます。
天気の悪い日曜の午後にナニもせずに、ぼーっと聴きたい、そんな曲です。
ちなみに妖精たちというのは、”小山田圭吾”のほかに“細野晴臣”、”坂本龍一”、”U-zhaan”と、、、妖精といえば妖精ですが、かなり豪華すぎな妖精たち。
それにしても青葉さん、いい声ですね。


12. United Future Organization「Nemurenai (insomnie) [instrumental]」
『Jazzin’』


“矢部直”、”松浦俊夫”、”ラファエロ・セッバーグ”の3人によるDJユニット”United Future Organization(U.F.O)”が、自身のDJパーティ『Jazzin’』をコンセプトに、1992年にリリースしたアルバム『Jazzin’』から「Nemurenai」のインストバージョンを。
波の音からはじまって、ミドルテンポのビートに、レイドバック感あふれる控え目なギター。
夏のおわりの夜の海、、、そんな雰囲気です。
当時、こういったさまざまなサウンドを切り貼りして構築した曲、いわゆるエディットサウンドに衝撃を受けたヒトはおおいのでは。
個人的にもよくDJで使用させていただいています。
そして、波の音でおわる。


13. yukaD「夜明けのうた」
『Exhibition』


元”ostooandell(オストアンデル)”のボーカル”yukaD(ユカディ)”のソロデビューアルバム。
“曽我部恵一”氏の「ROSE RECORDS」から2013年5月にリリース。
この曲、なんてことのないメロディなんですけれど、なぜだかココロにのこるんですよね。
彼女のアンニュイな声と、切ないメロディのからみ合う感じが、個人的にとても好きで、DJでもよく使わせていただいています。
なんとなーくですが、”ジョン・レノン”と”オノ・ヨーコ”の「GIVE PEACE A CHANCE」を思いうかべてしまいました。
じっさいに聴くと、ぜんぜんちがうんですけれどね。
肌寒い秋の夜明け。
そんな感じのナイスなシティポップサウンドです。



※選曲は、基本的にCDやダウンロードなどで入手できるものを中心としておりますが、廃盤などにより手に入らない場合がございます。
あらかじめご了承ねがいます。


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