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tokyo feature : May 28, 2014 @ 23:49

トーキョーシティポップス Vol.16 ──the town with wind



アナタのデスクトップライフを、ちょっとだけ楽しくするサウンドデザイン「トーキョーシティポップス」。


日本のシティポップスを中心に選曲した、ハイセンスな架空のコンピレーションアルバム『Japanese Soul for Tokyo City Pops』を、その月のテーマをもって選曲し、お贈りしていきます。


2014年5月のテーマは、「風街」。


トーキョーも、風の気持ちいい季節になりました。

ちょっと暑いくらい。


梅雨入り前のカラッとした晴れの日。

ナニも考えずにダラダラ、家のまわりを散歩するのがイイですよね。


そんなお散歩ミュージックとなれば、コレ幸い。


ぜひ、あたらしい音楽との出会いをたのしんでください。






May『Japanese Soul for Tokyo City Pops Vol.16 –the town with wind-』






01. 「ドライヴィング・ラヴ(コマーシャル・ヴァージョン)」沢田駿吾クインテット+浜口庫之助・伊集加代子
『Tokyo Modern Recording Collection Hamaguchi Kuranosuke GET Smart-Swinger!』


この時期は、やはりクルマでドライビングなんていいですよね。
とはいえ、このエンジンノイズだと、ちょっと飛ばしすぎな感じですけれど。
コチラは、1967年に公開された”勅使河原宏”監督の映画『インディレース 爆走』のコマーシャル用に制作された音源。
「カラー映画!」って言い張っているところが時代を感じますね。
“伊集加代子”さんのスキャットが、とにかくカッコイイです。



02. 「ハイウェイの影~メイン・テーマ」前田憲男
『3000キロの罠』



コチラも爆走系映画『3000キロの罠』のメインテーマ。
サントラは、日本のジャズ界を代表するジャズメン、”前田憲男”先生。
フリージャズ具合が、カッコよすぎ。
途中の長めなドラムブレイクもすばらしい!
かなりヤバいです。
ちなみにこの映画、マニアには日本版『バニシング・ポイント』なんて呼ばれているようですがね、
映像をみるかぎりはやっぱり。。。
にしても、三菱ギャランGTOは名車ですな。



03. 「RAINBOW RAINBOW」RF
『The Selection of DE DE MOUSE Favorites performed by 六弦倶楽部 with Farah a.k.a. RF    Vol.01』


みんな大好き!?”TMネットワーク”のあの曲を、ニッポンの4人組みのジャズメン”RF”がカヴァー。
まあ、好きじゃないヒトは、それはそれで良いとして。
“DE DE MOUSE”が影響をうけた曲を、”RF”がカヴァーするという企画盤『The Selection of DE DE MOUSE Favorites』。
いい感じのジャズ具合にアレンジされているのが、とてもナイスなこの曲。
おそらくフロアーでも盛り上がるのでは。
Vol. 01ってコトは、続編も出るのかな??



04. 「Steak Frites」Yosukekotani
『Anywhere』


“HARVARD”の”Yosukekotani(小谷洋輔)”によるソロプロジェクト。
日本でいながら、まったくドコの土地にいるのかわからなくなる無国籍感が、とてもイイよね。
ちなみに、アルバムは世界の10都市のホテルで、MacBookと最小限の録音機材だけで録音したらしい。
すでに大掛かりな楽器セットを組まずとも、こんなモノができてしまうなんて、スゴい時代になりましたな。



05. 「カラスヘビ」モアリズム
『昨日のような明日』


西トーキョーの黒い玉、モアリズム。
コチラも何語を話しているのまったくもってわからない。
“ナカムラ”氏の地元、熊本県菊陽町のネイティブ(なまり)だそうだが、
これが、間違いなくホントにホントのリアルブルース。
ブルースの本場、アメリカのブルースシーンも、
アーティストによっては”ナマって”て分からなかったりしますから。
ナイスブルース!



06. 「恋するニワトリ」やくしまるえつこ
『RADIO ONSEN EUTOPIA』


NHKの『みんなのうた』シリーズを”やくしまるえつこ”が、
アンニュイボイスでカヴァーしたシリーズから。
恋をしてはいけないアノヒトに恋をしてしまったというニワトリの、まさに濃い物語。
にしては、かなりサワヤカなんですけれどね。



07. 「恋の呪文はスキトキメキトキス」かせきさいだぁ
『かせきさいだぁのアニソング!!バケイション!』


コチラは、アニメソングを”かせきさいだぁ”が、
シティポップでカヴァーするというコンセプトのアルバムから。
アニメファンなら、一度は聴いたコトが、いや観たコトがある『さすがの猿飛』のテーマ曲。
肉丸くんと、マコちゃんの恋の濃い物語。
ちなみに、80’sアニメの主題歌は、
わりとシティポップサウンドが多かったりするので要チェックです。



08. 「レインボー シーライン」佐藤 博
『Super Market』



シティポップ サウンドの神髄、”佐藤 博”さん。
1976年にリリースされた鬼の名盤『Super Market』から、コチラを。
このオレンジ色がかったサウンド、ホントにいいです。
タイトルの「レインボーシーライン」というのも、グッときますよね。



09. 「中央フリー・ウェイ feat. 高木一江」TICO & icchie
『青春レゲエ』


ユーミンの名曲「中央フリーウェイ」を、
リトルテンポの”TICO”氏と、
デタミネーションズの”icchie”のふたりが組んだプロジェクト”TICO & icchie”がカヴァー。
ヴォーカルは、ナイスなハスキーヴォイスの”高木一江”。
ユルユルなレゲエビートと、ちょっとダビーな感じのアレンジが、とてもイイ感じです。



10. 「風をあつめて」はっぴいえんど
『風街ろまん』


“はっぴいえんど”のもう説明不要のこの曲。
“風街”ときたら、やはりこの曲でしょう。
日本を代表する名曲です。
ちょっとだけ説明すると、”はっぴいえんど”は”細野晴臣”、”大瀧詠一”、”松本 隆”、”鈴木 茂”の4人による日本語ロックバンド。
日本の音楽に強く影響をあたえた、いや、いまだにあたえつづけている4人。
このアルバムは、1971年にリリースされたもの。
いや、日本のロックは、もう40年以上も前に完成されていたのね。
というコトを考えると、スゴいアルバムだなーと。



11. 「日付変更線」南 佳孝
『サウス・オブ・ザ・ボーダー』


“南 佳孝”さんが、1979年にリリースした3rdアルバムから、サウダージなナムバーを。
佳孝さんの声がいいんですよね。
この声が、またサウダージなギターと合う合う。
海、砂浜、日没、、、そんな感じでしょうかね。



12. 「黄昏のワルツ」本多俊之
『マルサの女』


コチラは、”伊丹十三”監督の映画『マルサの女』のサントラから。
サックスプレーヤーの”本多俊之”の、ネトっとしたサックスが、夏の西日のように肌にカラミつく。
コチラも完全にサンセットオレンジミュージック。
ああ、今日もいいコトなかったなー、とか思わず考えてしまう、まさに黄昏ちゃうワルツです。



13. 「on泉とoff呂」杏窪彌
『箱根にしようかEP』


コチラは、エキゾチックポップバンド”杏窪彌”。
台北生まれ、トーキョー育ち”MIN(ミン)”ちゃんの、
アニュイすぎるボーカルにかなり中毒ぎみなワタクシ。
幼少期のあの「カラスがないたらかーえろ!」的な、
帰ったらやはりゴハンの前にお風呂でしょ?
ムダな昭和感がタマらんです。
まさに温泉系、ユルユルなデリックサウンド。



14. 「ごはんとおかず」矢野顕子
『飛ばしていくよ』


というコトで、お風呂の後はゴハンです。
コチラは、2014年にリリースされたばかりのアッコさん(矢野の方ね)の新譜から。
いい具合のピアノエレクトロニカサウンドと、親しみやすい歌詞が、ココロに響きます。
ゴハンと焼き魚(紅シャケ)と、みそ汁を食べたくなる、食ソング。



15. 「あなた」倉橋ヨエコ
『解体ピアノ』


1973年にリリースされた、”小坂明子”のデビューシングルを、”倉橋ヨエコ”がナイスカヴァー。
オリジナルは、ピアノとストリングス中心なので、どうしても歌謡曲臭がかなりしてしまいますが、
コチラはホーンセクション。
ちょっとビックバンドジャズ的な洗練された感じのアレンジが、かなりグッド。
とにかく、耳にのこるメロディ、ココロにのこるちょっとさびしい歌詞。
倉橋さんの力づよいボーカルもバッチリ。
彼女には復活してほしいものです。
それにしても、、、名曲ですなー。


16. 「サーカスナイト(Seaside Magic of L&B)」七尾旅人
『SHIBUYA OIRAN warm up music』


2012年リリースの「サーカスナイト」を大胆にエロモードにリミックスしたのは、個人的に大注目のユニット”Luvraw&Btb”。
コチラ、アナログ盤だけの収録だったのが、渋谷”花魁”のおかげでうれしいCD化。
このローな野太いビートと、耳触りのよいギターのリフ、そして”七尾旅人”のハイトーンボイス。
マージャンの「白撥中(ハク・ハツ・チュン)」的な、みっつがそろって意味をなす、
そんなアーバンエロサウンド。



17. 「DOWN TOWN」ザ・キングトーンズ
『SOUL MATES』


『オレたちひょうきん族』のエンディングでおなじみ「DOWN TOWN」を、”ザ・キングトーンズ”がカヴァー。
オリジナルは”シュガーベイブ”ですが、もともとは”山下達郎”が彼らのために書いた曲だったりします。
当時は、キャラクターにあっていないとのコトで、残念ながらボツになってしまったらしい。
そんな曲が、”ザ・キングトーンズ”活動35周年を記念してリリースしたアルバム『SOUL MATES』で、やっとのコトでセルフ?カヴァーした
四半世紀以上経って、彼らの元に戻ってきた、、、まさに鮭のような、うなぎのような名曲。
それにしても、いいアレンジですな。
彼らこそ、ホントの元祖キング・オブ・ソウル・グループ。



18. 「夢で逢いましょう ~Short Peace Arrange Ver.~」Short Peace Arrange(Vo. 斉藤妙子)
『Short Peace オリジナルサウンドトラック』


オリジナルは、”坂本スミ子”の1961年にはじまったテレビ番組『夢であいましょう』の主題歌。
コチラは、2013年に話題を呼んだマンガ家”大友克洋”さんのトリビュート映画『Short Peace』のエンディングテーマから。
このアレンジ、とくにトラペットの部分が、ナゼだかとても耳にのこってしまったんですよね。
ボーカルは、”斉藤妙子”さん。
あまり存知あげなかった方なのですが、スタジオシンガーで、”THE GOODIES”というコーラスグループで活動されていたり、”MISIA”のツアーのコーラスなどもやられていた方のようです。
この迫力ある合唱は、東京混声合唱団。
作詞は”永六輔”、作曲は”中村八大”の”六・八コンビ”。
昭和の名曲ですな。
さて、それではみなさん、夢で逢いましょう。



※選曲は、基本的にCDやダウンロードなどで入手できるものを中心としておりますが、廃盤などにより手に入らない場合がございます。 あらかじめご了承ねがいます。


Photo by healthy (http://www.behance.net/healthy-groove)



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