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tokyo feature : March 30, 2015 @ 20:22

トーキョーシティポップス Vol.26 ──i’m here



アナタのデスクトップライフを、ちょっとだけ楽しくするサウンドデザイン「トーキョーシティポップス」。


日本のシティポップスを中心に選曲した、ハイセンスな架空のコンピレーションアルバム『Japanese Soul for Tokyo City Pops』を、その月のテーマをもって選曲し、お贈りしていきます。


2015年3月のテーマは、「ここにいる」。


「東日本大震災」から4年、「地下鉄サリン事件」から20年。

時間が経っても消えることのない”ボンヤリとした不安”のなか、ボクらはどのように生きて、死んでいくベキか。


ただ、大切なのは「ここにいる」というコトなのでは。


ということで、今回は、自分を再確認的なBGMとなれば、コレ幸い。

ぜひ、あたらしい音楽との出会いをたのしんでください。





March『Japanese Soul for Tokyo City Pops Vol.26 -i’m here-』





01. 「Untitled」畠山美由紀
『わが美しき故郷よ』


宮城県気仙沼市出身のシンガーの”畠山美由紀”さんが、
3.11の震災後にリリースしたアルバム『わが美しき故郷よ』から。
コチラは、めずらしいピアノソロインスト曲の「Untitled」。
シットリとかなしいメロディ。
いろいろなモノや、いろんな思いがつたわってくるので、題名はいらないですよね。
演奏は、もちろん”畠山美由紀”。



02. 「誰のために」大貫妙子
『Sunshower』


ジャズなメローサウンドに、ハスキーな大貫さんの歌声がカラむ、
春に気持ちいいこの曲。
気持ちいいワリには、かなりスノッブな歌詞。
大貫さんの曲って、けっこうそういったシビアというか、
時代を斬るような、社会派な歌詞がおおいんですよね。
1977年にリリースされたアルバム『Sunshower』から。
名盤です。



03. 「風をあつめて」太田裕美
『Candy』


シンガーの”太田裕美”が、
99年に松本隆 作詞家生活30周年をむかえた氏へ敬意を表してリリースした、
松本隆作詞のカバー作品3曲をふくむ5曲を収録したミニ・アルバムから。
泣く子も黙る!”はっぴいえんど”の名曲「風をあつめて」のカヴァーですな。
大貫妙子の「誰のために」の歌詞に”風”というコトバがでてくるのですが、
そこからの”風”つながりで選曲。
しかし、こういうアレンジでキマしたか。
にしても、”太田裕美”の声がぜんぜん変わってなくてすばらしいです。
春っぽい、気持ちいい”風”サウンド。



04. 「風になる」栗コーダーカルテット
『ウクレレ・ジブリ』


コチラも”風”つながりで。
“栗コーダーカルテット”がジブリ映画の『猫の恩返し』のサントラを、
リコーダーとウクレレのヘタウマサウンドでカバー。
かなりホッコリな感じが春っぽいかなと。



05. 「風と光があなたに恵むように」小沢健二
『Eclectic』


コチラは90年代の渋谷系王子こと”オザケン”が、
2002年にリリースしたアルバムから。
もちろん”風”つながりの選曲ですが、いろんな意味での選曲です。
エレクトロサウンドに、歌というか、スキャットのみ。
ギヨンギヨン言っている、の太っといベースがたまりません。
個人的には、このアルバム、かなり好きなのですが、
当時の世の中的には分かりづらかったらしく、、、
あまり知られていないカモですね。
オザケン的な超実験サウンドです。



06. 「DANCER」BTB
『BACK TO BASIC ~俺とお前篇~』


そして、”山下達郎”の名曲「Dancer」を、
80年代チックなエレクトロサウンド&ボコーダーヴォイスでカバーしたのがコチラ。
“BTB”、いいですよねー。
フワフワ浮いているような、浮遊感ただようメロディーに、ミドルメローなビート。
ナイスなふんわりサウンドです。
ちなみに、この曲、達郎さん的にはかなり社会派なんですよね。



07. 「汚染水」曽我部恵一
『汚染水』


“曽我部恵一”さんが、いろんな意味でリリースしたのがコチラ。
攻撃的なビートに、ナイスなカッティングギター。
そして、意味深な歌詞を、エフェクトのかかった声で歌う曽我部さん。
いろいろボンヤリさせつつも、パワーを感じます。



08. 「LED」冗談伯爵
『渚/LED』


“前園直樹”と”新井俊也”による”冗談伯爵”。
「アレ!?このサウンド!!」と思ったアナタ。
アナタは、よほどの「FreeSoul」好きか、ソウルマニアです。
とにかく、軽快なサウンドに、さわやかな歌声。
春に聴きたい、いい曲です。
ただ、歌詞的には、ちょっとサビシイ歌詞なんですけれどね。



09. 「Catfish Head」SLY MONGOOSE
『Sly Mongoose』


さまざまなサウンドを融合させるバンド”SLY MONGOOSE”。
ノリのいいキーボードと、ピリ辛のトランペット、ぶっといベースライン。
肉厚なロッキンサウンドがたまりませんな。
ちなみに”Catfish Head”とは、”なまずの頭”のコト。
それとビールの名称。
ドッチの意味なんでしょうね。



10. 「Jump」忌野清志郎
『GOD』


2004年にリリースされたこの曲。
王道のポップサウンドに、超社会派歌詞がたまらない、清志郎節が大全開。
それにしても、約10年前の歌のハズなのに、
歌詞の内容が現状の日本のような気がしてならないのは、
清志郎的予言なのか、清志郎的ギャグなのか。。。
亡くなってから約6年になりますが、
いつ聴いてもカラダによく効く。
そんなすばらしい曲をたくさん残してくれました。



11. 「Alone In The Dark」アン・ルイス
『Pink Pussycat』


1979年に、”山下達郎”プロデュースでリリースされたこのアルバム。
ちなみに、作詞&作曲は”吉田美奈子”。
あまり知られていませんが、この曲、ファンキーソウルすぎて激ヤバです。
30年以上前の曲なのに、いま聴いても、まったく古さを感じません。
“アン・ルイス”の作品はこの後、ロック色がつよくなっていくのですが、
個人的には、この時代の”アン・ルイス”の方が好きなのです。



12. 「スリリング・ザ・バンド」Gentle Forest Jazz Band
『スリリング・ザ・バンド』


総勢22人編成によるビッグバンド”Gentle Forest Jazz Band”のニューアルバムから。
とにかく、スウィング具合がハンパないです。
そして、ホーンセクションの肉厚感。
“原信夫とシャープス&フラッツ”や”高橋達也と東京ユニオン”が好きな人にはバッチシな、
ナイスなビッグバンドジャズです。



13. 「Long Island Margarita」WACK WACK RHYTHM BAND
『Xx Classics』


2012年にリリースされた彼らのアルバムから、ひさびさの新曲となったこの曲。
ファンキー&ダイナマイトなボーカルは、”レモン”嬢。
この多国籍トロピカルサウンドが、ほんといいんですよね。
夏って、感じで。
春だけど。。。



14. 「誰も知らない事ばかり」矢舟テツロー
『SONGS』


さすらいのロマンチックジャズメン”ヤフヤフ”こと”矢舟テツロー”くんが、
2011年にリリースしたアルバムから。
彼が、3.11直後につくったというこの曲。
軽快なサウンドとはウラハラに、思わず「だよね」と言ってしまいそうになる、
いろいろな思いがつめこまれた歌詞にグッときます。



15. 「歌を歌うときは」星野源
『くだらないの中に』


残念ながら、2015年6月に解散することとなってしまった”SAKEROCK”。
“星野 源”のいい感じでチカラの抜けた雰囲気がたまらない、この曲。
緊急時に、歌ってナニもできないけど、
でも、歌をうたうならこうするのがイイんじゃない?的な選曲。



16. 「また会おね」矢野顕子
『グッド・イーブニング・トウキョウ』


1987年に東京厚生年金会館で行われた伝説のライブを生で収録したライブアルバム。
とにかく、参加メンバーがスゴすぎる。
途中の鬼のようなソロギターは、ゲストで登場した”大村憲司”。
いろんな意味ですべてがパーフェクトな、すばらしいライブ。
とりあえず、また会いましょう!、というコトで。



17. 「ここにいる feat.KN-SUN」金 佑龍
『The Straight Story』


元”カットマンブーチェ”のボーカル&ギターの”金 佑龍(キム・ウリョン)”。
彼がその名のとおり直球勝負でリリースしたミニアルバムから。
ウリョンのうつくしいギターと、自分再確認的なポエトリーラップ。
この、いい声でポエトリーラップをしているのは、
大阪を拠点に活動しているラッパー”KN-SUN”。
今回のタイトル曲として選曲。
いろいろあったけれど、
そう、ボクもワタシも「ここにいる」のです。




※選曲は、基本的にCDやダウンロードなどで入手できるものを中心としておりますが、廃盤などにより手に入らない場合がございます。
あらかじめご了承ねがいます。


Photo by healthy (http://www.behance.net/healthy-groove)


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