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Tokyo News : May 15, 2010 @ 04:17

わたしたち、結婚します!──中村勘三郎 × 野田秀樹 記者会見(会見篇)



中村勘三郎 × 野田秀樹 記者会見(会見篇)



先日、編集部に届いた一通のファックス。。。




『中村勘三郎 × 野田秀樹 記者会見』 
二人からお話したいことがございます


NODA・MAPファンとしては、これは「是が非でも行かなくては!」とスケジュールを空け、行ってきました記者会見。

当日は、快晴。
記者会見の会場からは、トーキョーの街が一望できました。



到着すると、テレビや雑誌など、他の報道陣もすでに到着し、着々と取材の準備を始めていました。
しかも、なにやら厳粛なムード。いったいどんなことが、この場で発表されるのか。
ココでは、記者会見当時の模様を”すべて”見せます。──




会場では、記者たちが本社へ連絡しているのか、携帯で連絡を取り合っている姿もチラホラ。



時間が近づきザワザワしはじめる会場。そして登場したのがフリーアナウンサーの中井美穂さん。たしか野田秀樹さんが東京芸術劇場の芸術監督就任会見をやられたときも、中井さんが司会を務めていたことを思い出します。



中井さんから、今回の会見の流れが説明されました。
まずは、上手(かみて)に中村勘三郎さん、そのつぎに野田秀樹さんが登場するという説明につづき、この会見についての流れを説明。そして、いよいよ会見が開始。


いったい何が発表されるのか。
緊張が走る報道陣を横目に、まず登場したのが黄色いジャケット姿の中村勘三郎さん、つづいて紺のジャケットの野田秀樹さんが登場。しかも、さっそく位置を間違えてすわるふたり。


厳しい表情のおふたり。

そして、野田さんから、本来なら5月あたまに開催予定だったこの記者会見が、アイスランドの噴火のため、ロンドンから帰国できず、今日になってしまったことのお詫び。それに対して勘三郎さんが「ボクはずっと待たされましたw。」となごやかな雰囲気で記者会見がはじまりました。

いい年頃のオトナの男ふたりが、真ん中にならんで座って、しかも妙な空気が漂う。
中井さんが今回のタクラミ発表について野田さんから説明があると司会をすると、重く厳粛な雰囲気の中、野田氏が、ゆっくりと口を開けた。

野田「わたくしども、この度、、、めでたく結婚をすることになりました!」



ドッと沸く会場。
野田秀樹氏が順を追って、その説明をし始めました。

野田「期間限定の9月5日から28日までの短期間の結婚ですが、新居は池袋の東京芸術劇場の小ホール。そこでお芝居のなかで夫婦になるということです。まあ、どちらが夫で、どちらが妻かということなんですけれど。。。ワタシが妻の役で、ふるいタイプ──夫唱婦随というタイプの家庭を築いて、それが崩壊していくドラマをお贈りしたいと思っております。」

と、次回のお芝居の説明を始めたのでした。

中井「気になるそのタイトルは?」

野田「ドッチがいう?」

勘三郎「オレ?じゃあ、『表へ出ろいっ!』という。。。」

野田「表”に”!」

勘三郎「ああ!『表に出ろいっ!』というタイトルでございますw。」

と、意図的なのか、なんともかみ合っていない感じでした。


中井「『表に出ろいっ!』というのは、もちろん野田さんが全部お書きになられたのですか?」

野田「タイトルは旦那さんの口癖なんです。。。以前、新橋の小さい、キタナーい飲み屋さんで、このヒト(勘三郎)と呑んだときに、若い女の子と芝居談義になったんです。
で、恐らくその若い女の子がすごく生意気なことを言ったと思うんだけれど、そしたら彼は奮然と立ち上がり、若い女の子に向かって「表に出ろいっ!」って言ったんですw。
若い女の子に本気になって。。。オレ、あのときにスゴいなーと思って。そのコトバが頭の中に張り付いていて、それをタイトルにしました。」


奮然と立ち上がるマネをする野田秀樹さん


「ここにいる女の子をですよ!」と状況をコト細かに説明する野田秀樹さん

中井「「表に出ろ!」じゃななくて「出ろいっ!」だったんですか?」

野田「「出ろいっ!」って言ったんですw。」

中井「勘三郎さんは、それを覚えていらっしゃるんですか?」

勘三郎「まったく覚えていないw。」

中井「そのことについてはノーコメントですかw?」

勘三郎「ノーコメントです。ワタクシ覚えがございませんw。」



──ということで、


NODA・MAP番外公演 決定!
『表に出ろいっ!』

公演日程:2010年9月5日-2010年9月28日

出演:
中村勘三郎
野田秀樹

会場:東京芸術劇場(小ホール)


しかも、ふたりがおなじ板にのるのは、なんと!初とのこと。


そして、つづく記者会見──


中井「演出家と役者としては、一緒の舞台はありますよね?」

勘三郎「もちろんありますね。」

中井「ふたりとも役者で出演ということに関しては、どういうお気持ちなんですか?」

野田「さっき裏で話していたのは、現在劇。時間が現在なんです。だから現代劇ではなく現在劇。いまの時間だから。それってやったことが。。。」

勘三郎「ないんじゃないか?って。明治とか大正とか、昭和のときには昭和の芝居をやっていないような気がするし、外国の芝居はやっているけれど、いま現在の芝居ってやったことがないような気がするんですよ。
でも、よくそんなのに一緒にやろうと思ったなと、しかも小さいところでね。気に入らなくて降ろされたら彼のひとり芝居になりますよねw。ですから、ボクもどういう風になるのか、、、どうして引き受けてしまったんだろって。やはり歌舞伎座がなくなったからね。」

中井「それでなんですかw?」

勘三郎「仕事がないからw。この前タクシーに乗ったら、(運転手さんが)「勘三郎さん、大変ですね、この度は!」って、すごく情けなさそうな顔をなすったので、「いや大丈夫なんですよ、3年経ったらまた建つんですよ!」って言ったんです。そしたら「そうなんですか!? じゃあソレまでは失業ですか?」っていわれてねw。コレね、入れてもらって、ホントに食いつなぎましたよw。」

中井「はははw。でも、これだけがおふたりの”タクラミ”ではないんですね。」


──今回、発表する”タクラミ”は、なんと!3つあるとのことでした。
いまの『表に出ろいっ!』公演決定と。。。

さらにつづく記者会見──


中井「もうひとつ大きな企みごとがあるそうなんですけれど、そのたくらみゴトとはなんですか?」

野田「えーと。これは一緒に言った方がいいんだよね?」

勘三郎「言いますか?」

野田「ふたりは現在、娘を」

勘三郎「募集中!」

野田「募集中です。とにかく娘が欲しいと、新居に。」

中井「それはどうなさるおつもりなんですか?」

野田「7月くらいにオーディションをしたいな、と。」

中井「7月12日(月)と伺っておりますけれど。。。」

野田「あ、そうですかねw。」

中井「大丈夫ですよね?」

野田「大丈夫です!」


──ココでも発表の息が合っていなかったおふたり。

ということで、
NODA・MAP番外公演
『表に出ろいっ!』
ヒロインオーディション開催!

オーディション開催日:2010年7月12日(月)



です。
詳細はいちばん下に。

そして、つづく記者会見──


中井「娘は、ちなみにおひとりですか?」

野田「ひとりです!」

中井「登場人物は、ご夫婦と娘さん三人になるということですか?」

野田「三人です」

中井「娘は、どんな娘が欲しいですか?」

野田「性格?」

中井「いやいやw。例えばワタシでも娘になれるのかとか、年のころはいくつか?とか。」

勘三郎「紙に書いてあったのは、20歳から25歳に見える方かなw。」

中井「では、20歳から25歳に見えればいい?」

勘三郎「そうですね。性別はやはり女性の方がいいなってw。」

中井「おふたりの娘に見える方であればいいということですか?」

勘三郎「だって、野田秀樹が女形をやるわけですから。まあウソですからね。娘役は渡辺えり子でもいいんですよ、見えればねw。」

野田「娘役が?」

勘三郎「嫌だねw。見えればだから。有名な方でもいいんでしょ?」

野田「まあ、無名制に限っての方がワタシ的には、どこかこの世に新しいヒトがいるのではないかと。」

勘三郎「プロダクションの大小問わず!」

野田「そうですね」

中井「どうして今回は娘のオーディション、無名制にかけたんですか?」

野田「この辺から、前のめりになってくるんですけれどw。
昨今の演劇だけじゃないんですけれど、そういう文化の状況って若いところから、あたらしいチカラというものが出にくくなっていると思ってまして。どうしても大きな事務所とか、そういうものによって俳優がつくられていきやすい状況なんですよ。
だから、そうではないところから、特に演劇からポンっと育っていくようなコトがないのかなと。これは単純な一回だけの仕掛けじゃなくて、そういうコトが行われていかなくちゃいけないんじゃないかな。そういう気持ちを込めてです。もちろん名のあるヒトの方に実力があるんだと思えば、キャスティングの結果がそうなったりするのかもしれないですけれど。でも、とりあえずは全部取っ払って、真っ白なところでオーディションをやりたいなというのが、今回の意図なんです。」


オーディションの意味についてチカラ強く語る野田秀樹氏

中井「なるほど。野田さんには、もうひとつの”タクラミ”があるんですよね?」

野田「そういう文化的な状況をよくするのにいろいろ考えていたら、若いヒトたちが、演劇にとわず、文化に入れていないと感じるんです。
ボクらが60年代とか70年代のときは、若い人間の動きによって文化がはじまっていたんだけれど、だんだんそれが若い人たちが文化に入ってこれなくなってきている、そういうもどかしさがありまして──。とくに劇場なんかは客席を見るとだんだん年齢が上がってきていて、それが若い人が引きこもっていることで起きているのか、どういうことなのか。そういうことをいろいろ考えていて、なんとか劇場にも足を運んでほしいということを考えたんです。
東京芸術劇場では、去年(2009年)は高校生を海外の公演に無料招待とかしたんです。でも、自分の公演だけ何もしないというのはいけないと考えたんですね。
じつはコノ芝居だけではなくて、6月20日からやる『ザ・キャラクター』でもやるんですけれど、高校生を1000円で観せたいと。なので、コチラから用意された時期と、限られた枚数にはなってしまうんですけれど、なるべくやっていきたいと思いまして。」

勘三郎「歌舞伎でもやりたいんですよ。お金が高いとなかなか観に来れないからね。」

野田「5000円を越えちゃうと高校生も来なくなってしまうので、キッカケを与えたいんです。やはり知らないまま、大きくなって、どんどん文化から離れてしまう。それは文化ではなくて演劇の話しかもしれないけれど、そういうことを少しでもしたいです。
だから、この芝居もいろいろな方々に協力していただいて、少しずつそういうことが広がっていってほしいですね。ボクの場合は都の劇場ですけれど、本当は都とか国とかそういうところがキチンと助成するシステムをやってほしいんです。都とか国とかと仲良く、うまくやれるヒトにだけのところにお金がいくんじゃなくて。なるべく見たい高校生にお金を助成するような、そういう直接的なシステムというか、そういうことが出来てこないかなと。それもふくめて、仕掛けていかないといけないので、その第一弾、第ニ弾は『ザ・キャラクター』とこの『表に出ろいっ!』でやろうと思ったんです。
観てもらう側にも若い人たちのチカラが必要だし、同時に今回のオーディションは、演じる側の方にも興味を示してほしいという、そういう”二本柱”になっていんですよ。」





──若い人のチカラ。。。
ということで、3つめの発表は。


高校生割引!
夏休みに東京芸術劇場で、NODA・MAPをみよう!

第一弾は、NODA・MAP『ザ・キャラクター』を1000円で!


そして記者会見もおおづめ。記者による質疑応答へ──

>>>質疑応答篇へ



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