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Interview : April 25, 2016 @ 16:00

紐トーク Vol.04──山本真太郎×木村大太「HOG TOE SHOES」をヒモ解く



“山本真太郎”と”木村大太”、ふたりのシューズデザイナーが敬愛してやまない、イギリスのシューズデザイナー”John Moore(ジョン・ムーア)”の名品「Hog TOE」モデルを、このたび復刻させた。


つま先が角張った「Hog TOE」のほか、コンバットなのにドレッシーなブーツのデザイン、さらに”クリストファー・ネメス”と”ジュディ・ブレイム”らとともに「The House of Beauty and Culture」を設立するなど、さまざまなカルチャーに影響をあたえた、”John Moore”。

没後25年以上たったいまでも、絶大な支持をうけている、まさに伝説のデザイナーだ。


そんなカレとカルチャーをともにし、ロンドンにあるショップ「The Old Curiosity Shop」で出逢ったふたり。


今回は、おふたりに「HOG TOE SHOES」をつくるコトになったキッカケを中心に、いろいろとお話を訊いてみた。





─今回、イギリスのシューズデザイナー”John Moore(ジョン・ムーア)”による
「Hog TOE」モデルを、
『The Old Curiosity Shop』の”木村大太”さんと復活させたワケですが、
おふたりでどのようなお話をされてはじまったのでしょうか?


山本真太郎(以下 山本):
まずは、日本のファッションシーンで、
“John Moore”のデザインが「もっと世に出てもいいのでは?」という会話から、
今回のコラボレーションの企画がはじまりました。

そこで、「なぜ、”John Moore”のデザインに対する認識がうすいのか?」と考えたときに、
UKで、しかもハンドメイドラインでつくる場合の価格帯もあるだろうし、
それに「House Of Beauty And Culture」の認知度が、
現在はコアなファンにしかないという現状ですよね。

それならば、もっとつたわりやすくするために、
ボクのもつ背景でリブートするコトで、価格の解消や、
『KIDS LOVE GAITE』を購入してくれている若いヒトたちにも、
もうすこしひろがりが出てくるのかなと、考えたんです。






─この「HOG TOE SHOES」の特徴をおしえてください。


山本:「Hog=ぶたの鼻」と、訳せば上記のようなネーミングです。
“John Moore”が、なぜこの木型のカタチにしたのかは、
正直なところボクらも知らないのです。
通常では考えられない発想や奇抜さ、
それを靴にしてしまうあたりがカレの偉大さでもあるとおもっています。
工場ラインも出まわるなか、とくにこの「Hog Toe」が、
デザインも木型も”John Moore”節が際立っているとおもいますね。



─今回の「HOG TOE SHOES」における製作の流れをおしえてください。


山本:まずは、『The Old Curiosity Shop』の”大太”さんより、
“John Moore”の木型をお借りしました。
しかし、現状、ハンドメイドのパターンを工場ラインに落としこむコトは、
かなりむずかしい状況でしたので、あらたなパターンを起こしなおしたんです。
そして、通常ハンドメイドラインではない、パイピングのディティールを施したり、
“シャークソール”がイギリスでは手にはいりづらい状況になっていましたので、
ソールの設計もしなおしました。
さらに、専用のシューレースもつくるコトにしたんです。






─”木村大太”さんの「The Old Curiosity Shop」に行くようになったキッカケは?


山本:ボクが「The Old Curiosity Shop」で働いていたのですが、
働く以前から”大太”さんとは顔見知りだったんです。

それでロンドンで美大在学中に「The Old Curiosity Shop」のオープンにあたり、
内装のお手つだいをするコトになりました。

ボクは、もともと「House Of Beauty And Culture」が好きだったので、
お店の完成後に、”大太”さんと”イアン(・リード)”にアシスタント、、、というか、
“こま使い”をやらない?と声をかけられたんですね(笑)。

それがキッカケで、靴づくりをはじめたんです。






─(大太さんに)”山本真太郎”さんとの出逢いで、いま感じていることを教えてください?


木村大太(以下 大太):カレとの出会いから25年が経たったワケですが、
“John Moore”の靴でまた一緒に関われるコトに、
特別なモノを感じますね。



─おふたりにとって、デザイナー”John Moore”氏は、どのような存在ですか?


大太:自分自身にとってすべてのはじまりで、
いまでも「デザインとはナニか?」を考えさせてくれる存在です。


山本:既成概念からかけはなれたコトを、躊躇なくなしとげる才能ですね。
いつになってもボクにとって偉大でなりません。
そういう影響を受けながら、靴づくりをしていきたいと考えます。



─ありがとうございました。



(おわり)






『KIDS LOVE GAITE×The Old Curiosity Shop』
「HOG TOE SHOES」

・Boots





価格: ¥74,000(税抜)



・Shoes








価格:¥68,000(税抜)



□プロフィール

・山本 真太郎





『KIDS LOVE GAITE』デザイナー
1974年8月28日生 東京出身
1990年に渡英。1995年に”CAMBERWELL COLLEGE OG ARTS”に入学。
1996年から”The Old Curiosity Shop”にてシューズデザイナー”イアン・リード”と”キムラ ダイタ”のアシスタントとして勤務。
2000年に帰国し、OEMの企画営業などを経て、2008年秋冬コレクションより『KIDS LOVE GAITE』をスタート。
2011年からスタイルで再スタート。
『KIDS LOVE GAITE』オフィシャルサイト:http://dupestyle.com/



・木村大太





1968年7月30日生、静岡県出身。
1988年 渡英。
1990年、「Cordwainer’ s College」に入学。
1994年、”John Moore”の「存在」を存続させるためにショップ兼アトリエの「The Old Curiosity Shop」をオープン。同時に自身のブランド『Daita Kimura』を立ち上げ、『ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)』、『アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)』のショー用ハンドメイドシューズを手掛けるなど、ロンドンを拠点に幅ひろい活動を行っている。
「The Old Curiosity Shop」オフィシャルサイト:http://www.the-old-curiosity-shop.com/


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