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Daily Life w/ Music : August 7, 2019 @ 20:16

FILE 439 akiko × 林 正樹 『spectrum』


ディスクレビュー コーナー『日々是音楽』では、”トーキョー マガジン”が最新の音楽情報を独断と偏見で、自信を持っておススメするいちまいを紹介していきます。



FILE 439 akiko × 林 正樹 『spectrum』


ジャズ・ヴォーカリストの”akiko”と個性派ピアニストの”林 正樹”が、タッグを組んだピアノ&ヴォーカル アルバム『spectrum』をリリースした。


幅ひろい音楽性で日本のジャズ界では異色の存在感を持つジャズ・ヴォーカリスト”akiko”。

そして、クラシックからジャズ、アンビエントなど、独自で実験的な音楽性を放つ、ピアノ界の異端児”林 正樹”。


そんなふたりによるスペシャルなコラボレーションアルバム、『spectrum』が誕生した。

“林 正樹”のうつくしいピアノの演奏に、”akiko”のやさしく話かけるようなヴォーカルがココロに響く。

ふたりのオリジナル曲のほか、カヴァー曲もあわせて10曲収録された本作。


おススメは、オリジナル曲の「Humming」。
やさしく問いかけるような”akiko”のハスキーヴォイスと、
力づよくもやわらかい”林 正樹”のピアノが、
胃のあたりにあるモヤモヤをとりのぞいてくれるバラード。
白のレースのカーテンが、白昼のやさしい光と風になびいている、、、
そんなイメージだ。


そして、グレーの雨の空が似合う「Bluegray Road」。
アップテンポながらも、
セツナすぎるメロディ。
しんしんと降る雨の日に聴いたら、
しんみり泣いちゃうヤツ。


さらに、八重山民謡の「月ぬ美しゃ」のカヴァー。
コチラは南西諸島方面由縁の民謡で、
“月は十三夜の月がうつくしい”という唄。
そんな民謡を、”林 正樹”によるすばらしすぎるメロウなピアノアレンジで。
青い月夜に聴き入りたいグッドサウンド。
月がうつくしくなりはじめるこの季節にピッタリだ。
いままで生きてきたなかで、
ベットリ取り憑いてしまったさまざまなヨゴレを、
スッキリきれいに洗い流してくれるような、、、そんな感じ。



刺すような強い日ざしとモワっと湿気の帯びた不快指数高めな気候に、
ちょっとウルサ目なパーティ感あふれるサウンドが街をおおいつくす、
ナツのトーキョー。


そんな猛暑と不快音を快適にノリ切れる、
ドコかさびしく、ドコかなつかしい、うつくしい静寂の音楽たち。


クールでノスタルジックな世界を感じるいちまいだ。






akiko × 林 正樹
『spectrum』



価格:¥2,593(税抜)
レーベル:ability muse records(CD POCS-1818)

発売日:2019年8月7日


□トラックリスト
01. Bluegray Road
02. Humming
03. The Flower of Life
04. I Loves You, Porgy
05. Teal
06. Music Elevation
07. If
08. Corcovado
09. Phantasien
10. 月ぬ美しゃ



“akiko”オフィシャルサイト:https://www.universal-music.co.jp/akiko/


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