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Interview : June 19, 2020 @ 19:04

“なかの綾”デビュー10周年インタビュー(後編)──「揺り籠から介護ベッドまで」



歌手の”なかの綾”が、2020年11月でデビュー10周年をむかえる。


2010年11月にデビューして以来、日本の名曲をラテンアレンジのグッドカヴァーでよみがえらせ、”夜と、お酒と、男と女”的なライブ&ライフスタイルと、急なタイミングでのドイヒーな下ネタ披露で、ファンのココロとカラダをガッツリとワシづかみにしてきた彼女。

そんな感じで、自身の活動スタイルをつねにアップデートしつづけてきた10年間。


今回は、次のフェーズへとなんとなく動きはじめた”なかの綾”嬢に、”これまでの10年、これからの10年”をコンセプトに、メールでインタビューした後編。


なお、写真はおなじくすべて彼女に自撮りでお願いしている。


とくとご覧アレ!






─この10年で印象深い出来事は?


宮古島の音楽イベント『宮古島ミュージックコンベンション』で出会えた、
ミュージシャンの皆さまとのご縁かな?


─例えば、どのようなご縁でしょうかね?


ドラマーの”江川ゲンタ”さんが主催で、
毎年行われている野外イベントなのですが、
ここ3年、毎年お呼びいただいてるんです。

“山崎まさよし”さん、”吉田美奈子”さん、”古謝美佐子”さん、
“BEGIN”のお三方、”西慎嗣”さん、”大西ユカリ”さん、”三宅伸治”さん、”八木のぶお”さんなどなど、
たくさんのミュージシャンがあつまって、3日間のイベントのなか、
野外ステージで行われる”昼の部”、
そして街のライブハウス何店舗もサーキットしてまわれる”夜の部”とたのしめるのですが、
この”夜の部”は「どこでだれが演奏するのか?」の部分がザックリとしか決まっていなくて、
そこかしこでセッションがはじまるんですよ。

ライブ制作の方が見たら、ギャラ計算でそろばん爆発するような豪華なメンバーが、
ジャンルや世代、そんな発想自体が無粋と思うほど、
はじめて楽器を持ったみたいな顔でたのしそうに演奏する姿を見たり、
そこで生み出される音楽のすばらしさに触れられた、そして受けた衝撃は一生の宝物です。

昨年の”CENTRAL”とのアルバム作成にいたったキッカケも、
宮古島で一緒にステージをやらせてもらったことがおおきいです。

じつは、それまでは対バンなどの経験があまりなかったので
ミュージシャンのお友だちって数えるほどしかいなかったのですが、
そこで一気に音楽仲間がふえました(笑)。



─この10年にリリースした音源のなかで、一番ココロにのこっている歌は?


「アサミのブルース」かな。


─それはナゼですか?


正直「もう歌謡曲はよくない(充分)?」という気持ちだったんですね、このころ。
「私だっていっちょまえなオシャレな歌うたいたいし、
すこしずつ実年齢に引き寄せていきたいなぁ」なんて、
いま思うとブレはじめていた時期でした。
そこでこの曲ですよ、
五反田のスナックのママのうた。
もう昭和に呪われているとしか思えない(笑)。

でも、いままで心のなかであんなに歌謡曲に反発していたのに、
この曲は不思議とイヤではなかったんですよね。
武藤(昭平)さんが、丁寧に世界観を落とし込んでくださったのもおおきかった。

TVドラマ『傷だらけの天使」の第19話だったかな?
「女子大生サロンのアケミちゃんがモデルになっている」とDVDを貸していただき、
イメージを共有したので、レコーディングもやり易かったんです。
そして、この曲はまだまだ加齢とともに、
オドろオドろしくなっていくのかなと。
60歳の私が歌うのを聞いてみたい曲なんですよね。





※禁煙前最後の一本


─さて、こんな状況ではありますが、10周年的な何かしらの催しは考えていますか?


2020年11月10日がデビュー日なのですが、その前後で考えていました。
でも、状況も状況ですしね。。。

だから”11月から1年間”とポジティブに捉え、
来年あらためてゆっくり仕込みたいとおもってます。


─現状、世の中はコロナウイルス感染の状況もあり、エンタメ系はいろいろと自粛した状況がつづきそうですが、
YOU TUBEでなかの綾チャンネルなんかもはじまりましたね。


まだまだナニをやっていいのかわからない状況なのですが、
とにかくがむしゃらに挑戦したいと思いますね。


─こういった状況下での音楽の役割というか、綾ちゃんにとって音楽とはどんな存在でしょうか?


最近、デグーというネズミの仲間を飼いはじめたのですが、
「デグー用のヒーリング音楽」っていうモノを見つけたんですよ。
ハムスターとかラットとかウサギとかいろいろあるんですけど、
「ほんまかいな!?」と思いながら鳴らしてみたんですね。
もともとものすごくビビりで、人の目の前で寝ることなんかなかったのに、
それがだんだんトロンとしてきて、
見たことないくらい熟睡したんです!
どういう仕組みなのかサッパリわからないのですが、
心地いい周波数やメロディがその動物に応じてあるのかな?とおどろきました。

この状況下、ライブハウスへの風当たりも強かったし、
普段音楽を聴く習慣がない人からしたら、まさに不要不急。
ホントにいらないものなんだろうなとは思うんですが、
変に考えごとをして寝つけない時に聞くとスッと頭が軽くなる音楽、
ナゼだかわからないけど聞いてるうちに涙があふれてくる歌声、
こういう時こそそういったものに触れてみてほしいなと思いますね。

鼻歌だってストレス発散になるし。
私にとってはそれくらい身近で、”精神衛生の要”ですね。
そしてプロを名乗る以上、聞いてくれるダレかの心もささえたいと思っています。


─この状況がいろいろと落ちついたら、まずしたいコトはなんですか?


アルバム制作にとりかかりたいし、ライブもしたいし、全国ツアーもしたいです。


─今後、音楽的にナンらかのあたらしいアプローチなど、希望や妄想があればおしえてください!


家に宅録機材を購入したので、
これを利用してクリエイティブな世界にも足を踏み入れてみたいなとは
ぼんやりと考えています。
ものすごく時間かかりそうだけど。
いずれ出産子育てをしたいともかんがえてるので、20年後のファンを獲得すべく、
子供向けの音楽に挑戦できたらうれしいなと思います。
まさに”揺り籠から介護ベッドまで”かな(笑)。



※最近衝動買いして、「家にある」に満足して、あんまり練習してないキーボードと一緒に


─次の10年後、ナニをしていたいですか?


おなじようにライブができていたら、
こんな幸せなことないなと思いますね。





(おわり)







□リリース情報

なかの綾
『10th Anniversary BLACK BOX』





発売日:2020年6月10日
税抜価格:8,500円(税抜)
フォーマット:7inch×5枚(+オリジナル・ラバー・コースター&BOX仕様)
レーベル:VIVID SOUND/HIGH CONTRAST(HCR9689/93)

セレクター:須永辰緒/クボタタケシ/コモエスタ八重樫/吉沢dynamite.jp/なかの綾





・”須永辰緒” セレクト
A面:さよならイエスタデイ
B面:愛人(Single version)

・”クボタタケシ” セレクト
A面:経験
B面:ウナ・セラ・ディ東京

・”コモエスタ八重樫” セレクト
A面:涙の太陽(Crying in a Storm)
B面:ボーイ・アンド・ガール

・”吉沢dynamite.jp” セレクト
A面:ウイスキーが、お好きでしょ with 川上つよしと彼のムードメイカーズ
B面:別れても好きな人 Duet with 横山剣

・”なかの綾” セレクト
A面:あたしはあんたのクスリじゃない
B面:ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー



□プロフィール

・なかの綾





1985年5月7日生まれ。京都府出身。
2010 年 デビューアルバム『ずるいひと』をリリース。限定リリースした7インチ シングルは各レコードショップのチャート1位を独占し、クラブシーンから絶大なる人気を得る。2013年6月「NHK歌謡コンサート」に出演。同年7月、 ユニバーサル・シグマよりミニ アルバム『へたなうそ』でメジャーデビュー。2014年 2ndアルバム『わるいくせ』をリリース。ジャケットは”大友克洋”氏が手がける。2016年 3rdアルバム『エメラルド・イン・パラダイス』をリリー ス。最近ではプロデューサーに”コモエスタ八重樫”、”武藤昭平”(勝手にしやがれ)、”SWING-O”をむかえシングルをリリースする。2018年6 月には企画&監修に”渡辺祐”をむかえ2年ぶりのアルバム『Double Game』をリリース。同年9月から自身初の全国バンドツアーを行い、「キネマ倶楽部」で行なったツアーファイナルはソールドアウトするなど好評を得る。
2019年4月に自身初のDVDを発売する。同年7月にはラテンバンド”CENTRAL”とタッグを組んだアルバム『リバース』を発売。同アルバムはミュージックマガジン「ベスト・アルバム2019」Jポップ/歌謡曲 部門で1位に選出された。
現在、「FMヨコハマ」にて毎週水曜日24:00からレギュラー番組「今夜もおきばりさん!」のメインパーソナリティーを約7年つとめる。

オフィシャルサイト:https://www.nakanoaya.com/


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