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Interview : September 22, 2010 @ 18:20

Art Book『Solipsisme』リリース!──Julien Levy インタビュー




パリ在住のアーティスト”Julien Levy(ジュリアン・レヴィ)”が来日した。


デザイン、写真、映像、空間演出などなど、、、彼のアートワークはとてもユニークで、パリ、そしてココ、日本でもかなり注目されはじめているアーティストのひとりだ。


今回は、彼の発売されたばかりのArt Book『Solipsisme』と、Nadiff(恵比寿)に行われた『Tiny Winds』というとてもユニークなアートワークの展示のレセプションのために来日。


Art Book『Solipsisme』では、日本(トーキョー)が舞台となったり、名刺にもカタカナの文字が掲載されているなど、もともと日本”つう”な彼。



そんな彼に、今回のArt Book『Solipsisme』、アートワーク『Tiny Winds』、彼のアート活動、さらにはトーキョーの印象などについて、お話をうかがった。






─まずは、”アート”という行為をはじめられたキッカケを教えてください。


それは、、、”哲学”です。
“哲学”からは非常に多くのコトを学べるのに、難しすぎるから人々はそれに興味を持たないんですよ。
だから、ボクはそれを”アート”というカタチを通じて、みんなに伝えたかったんです。





─今回リリースしたArt Book『Solipsisme』は、どのようなコンセプトで進めて、つくられたのですか?


『Solipsisme(唯我論)』のテーマは、「I don’t Control」。
最初のアイディアは、ボクがはじめて日本に来た時に感じたことで、それは「とても遠くの地から東京に来た人が、街(東京)にコントロールされているような気がした」ということ。そこからインスピレーションを得たんです。
そして、コントロールできるのは何をフレームにおさめるかということのみで、(現像された写真がコントロールできないよう)いろいろな方法──例えば、故意にダメージを加えたフィルムを使用したり、そうやって撮影をしました。
自分が、作品(またはすべて)をコントロールしていると思っているアーティストもいるんですけれど、それは”間違っている”と気がつかなければいけないということを表現し、ロンリーな感情をつめ込んだメランコリックなアートブックなんです。





─作品の撮影場所は日本がメインでしたが、あなたにとって 日本(とくにトーキョー)とはどのような場所ですか?


建築物すべてにものすごく独立した感じがあって、(パリとは違って)隣同士のビルがまったく違うので、ほんとケオティック(混沌)だよ。
多くの人は「東京はすごくパラドックスで忙しい街」と言うんだけれど、ボクにとってはすごく穏やかで、静かな街です。




─『Tiny Winds』というエキシビションは、どのようなキッカケで始められたのですか?またアートワークのコンセプトを教えてください。


『Tiny Winds』とは、はげしい感情に満ちた象徴的な場所の空気をとらえ、オリジナルデザインの容器に詰め込んで販売する「emotion charged air(感情の満ちた空気)」なんです。ちなみに、ボトルの中の空気は、本当にそれぞれの場所で採取されたもの。
デザインであり、魂でもあるこの美しいボトルには、「感情も売買できるか?」というボクからの大きな問いかけもしているんですよ。 そこからはじまったエキシビションなんです。






─現在、いろいろなプロジェクトを進めておりますが、今後はどのような動きを考えていますか?

いままでは”Art Boook”などのフォトグラフィー中心の活動が多かったんですが、今後は映像を中心とした活動になっていく予定です。
また、来年の2月にパリで大規模なエキシビジョンを予定しており、著名なフランス人女優を起用したショートムービーの制作も予定しているよ。







─トーキョーのファンへ、メッセージをお願いいたします。

“Please Stay Unpredictable!” (unpredictable:予測できない)
「常に予測がつかないような、(ドキドキするような)人でいてください!」



(おわり)





Julien Levy

パリ、トウキョウを拠点としている27歳のアーティスト。
詩、フォトグラフィー、映像、デザインとマルチな活動を続けており、作品はコンセプチュアルでリリカル、そして完璧に洗練されている。
2010年から2011年にかけて、4つのエキシビジョンが世界各地で計画されており 彼の初のアートブックである『Solipsisme』の出版、ミュージックビデオや著名なフランス人の女優を起用してのショートムービー『the shapes of art to come』の制作、そしてユニークで壮大なプロジェクトである『Tiny Winds』も発表されている。
http://julienlevy.org/ni0d000b.html

・Art Book『Solipsisme』
http://www.julienlevy.com/solipsisme/index.html


・『Tiny Winds』
http://julienlevy.org/ni0d000b.html






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