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Interview : February 16, 2011 @ 15:31

フォトグラファー 須田 誠インタビュー──ザッツ・談!(その3)



34歳のときに10年間のサラリーマン生活に終止符を打ち、世界中で放浪生活をはじめ、そのときに手にしたカメラで”世界の真実”を撮影してきたフォトグラファー”須田 誠”。


彼の著書『NO TRAVEL, NO LIFE』は、リリースから3年以上経ったいまでも人々の手に取られている。


現在は、全国をまわる自身の個展『ジャパン ツアー』やワークショップ、『最高☆カメラ』を開催するなど、精力的に活動中の彼に、いろいろとお話を訊いたインタビュー?雑談?の第3弾!





──”ハッピー”を”つなげる”



カネコヒデシ(以下カネコ):
そういえば、『最高☆カメラ』というプロジェクトは、どういう意図ではじめられたんですか?

須田誠(以下M):
それはね、楽しいコトをやりたいなと思って。
若い頃にやっていたいろいろなことから、いらないものが削げて、自分が好きなことだけをやっていきたいと思うと、、、写真とカメラが残ったんだよ。
だから、写真で何か面白いことができないかなって。もう商店街のおばちゃんですら「不景気」って言えばいいと思っているじゃない(笑)?
だから、もっと自分の意思で考えて楽しいことやっていこうよ!って、ワイド番組ばかり見てないで。

カネコ:「不景気」という言葉が”合いコトバ”的な感覚ですよね(笑)。

M:みんなが言ってるから安心するんだよね。そんな悪いグルーブを広げていっているじゃない、いま。
そうじゃなくて、もっとハッピーなものを広げていけば、みんなハッピーになれるのにって。
だから、”不景気”って言わずに「いーよ、いーよ!」って言っていたら絶対盛り上がると思うんだよね。そういう意味でも、自分が持つ”写真を撮る”というハッピーな行為を広げていきたいなって。
写真って、始めたばかりの子でもすごくいい写真を撮れるワケよ。
音楽だとなかなかそうはいかないけれど、写真だとシャッターを押すのはスゴく簡単だし、キレイな写真を撮るのって、デジタルだとプログラムモードがいまいちばんキレイに撮れるから。あとはその人のセンス次第。だから、今日カメラを始めた子でもいい写真が撮れる。
それってすごくハッピーな表現方法だよね。やっぱりたのしいコトをやりたいなと思って始めたんだよ。ハッピーにしていると、ハッピーな人たちが寄ってくるよね。
逆に頭を抱えていると、絶対変なヤツがよってくる。だから、ハッピーにしていたい。オレの中ではそれが”写真”と”旅”だったんだよ。
だから、いろんなチョイスのひとつとして、ぜひやってほしいなって。旅してほしいし、写真もたのしい。
『最高☆カメラ』に関しては、いまは日本だけだけれど、じつはロンドンとかグアテマラとかからも映像が来ているのね。だから、渋谷の次がロンドンで、ロンドンの次がグアテマラで、グアテマラの次が駒込だったり、、、ひとつのカメラとか写真がキーワードで空間がつながっていく面白さはあるよ、時空を超えた感じ。
コレをいろいろ発展させて、最初は『最高☆カメラ』だけれど、『最高☆将棋』とかにしてさ(笑)、そこで将棋の哲学とか語ってもらったり。。。

カネコ:
“座右の銘”をひとりひとり言っていくみたいな(笑)。

M:そうそう!
将棋ってそんなに面白いんだ!ってなる。。。なんでもできるんだけれどね。
テーマのひとつに”ハッピー”もそうだけれど、”つながる”ってこともあって、いまって、横のつながりが希薄じゃない。例えば、いま住んでいるところの前の家とか、隣の人と年に1回くらいしか話したことがないとかさ。

カネコ:ボクもそうですね。
住んでいる人をほとんど見たことがないです。ホントは住んでいるのはウチだけなんじゃないかとか思いますよ。
電気はついているのは、じつは大家さんがつけていて、誰かが住んでいる演出をしているんじゃないかとか(笑)。

M:演出なんだ(笑)。

カネコ:
そう思ってしまうくらい、会わないんですよ。

M:“つながる”というコミュニケーションって意味も含めて、みんながどんどんつながっていった方がいいんじゃないかなと思う。ほんとはカメラ同士じゃなくて、いろいろなジャンルでつながれたらいいな。写真と音楽とか、写真と絵画とか、写真と八百屋とか、、、そういうものがつながったら何かが生まれると思うんだよ。

カネコ:
“つながる”ことって、ホント重要なことだと思いますよ。

M:オレの友達もいろんなジャンルの人がいるからさ、やっぱり話しをすると面白いよね。

カネコ:
自身の”英知を高める”じゃないですけれど、人とのコミュニケーションってすごく大事だと思います。

M:絶対大事!
それをメールとか、ツイッターだけに頼っていたら、、、ヤバいよね。
実際に顔をあわせてコミュニケーションを取らないと。
そういえば先日、”りんたろう”さんという美容師さんと対談したんだけれど、写真家と美容師ってある意味共通点もあったし、学ぶところもあって、すごく面白かったんだよね。写真との共通点である被写体──お客さんがいて、なおかつ接近戦。しかも相手の気持ちを読み取って、会話もしないといけない。で、切ったら失敗は許されない。
写真もワンカット、撮り直しはきくけれど、その一瞬は二度とこないみたいなのがあるから、すごく面白かったよ。

カネコ:“儚さ”というか、諸行無常というか、、、一度失敗したらおしまい的なものはありますよね。

M:そう!ソレがスゴく重要。
人生自体にそういうのがあるじゃない、最後は死んじゃうみたいな。だから、楽しいんだよ!コレが500年くらい生きられたら、かなり価値観が薄れる。

カネコ:それはボクもおなじ思いですねー。
いまのこのインターネットの文化があと何年つづくか分からないですけれど、僕は自分のやっていることが、キチンと歴史のアーカイブになっていたらうれしいと思ってやっていますよ。
「当時はコレが流行っていたのか!」とか、「こういうことをやっていたんだ!」とか。そういうことが分かるアーカイブがつくれればいいのかなと。そこに”媒体”の価値があると思うんですよね。
情報を流すだけじゃ、自分の中で納得がいかないというか。。。

M:それって”作品”でしょ?すごく意味があるよね。
情報は捨ててもいいからさ。

カネコ:おなじ記事はクサるほどありますから。

M:
有名な人のインタビューだったら、どの媒体でも読めるもんね。
以前、レコード会社にいたとき、来日したホテルの一室をとってアーティストのインタビューを、朝から晩までメディアを入れてやっていったんだけれど、質問が全部一緒だもんね。ミュージシャンが嫌がるのも分かったよ。アレだったら、紙に書いてあるのを渡せばいいんじゃないって。

カネコ:
でも、仕方がないんですよね。それ以外を聞いてもあまり意味がないから。
そういえば、以前、とある海外のバンドのメールインタビューで、そのバンドの名前の由来を聞いたんです。僕はすでに知っているけれど、掲載する媒体の読者は彼らを知らないだろうと思って聞いたんですが、彼らからは、「そんなものはネットで調べてくれ!」って戻ってきて。。。たしかに簡単にモノごとを調べられる時代なんですよね。いまは検索文化で、興味のわいたコトに関してすぐ検索をかけられる。まあ、大半はこのブランドの服が欲しいとかの”物欲”なんでしょうけれど。

M:基本的にビジネスも何でもそうだけれど、”欲”という部分は、人間は変わらないよね。
成功させるのもソコだもん。

カネコ:
そこをうまく使って打ち出せればいいんですけれど。
でも、それってドコもやってるから、違うものを提案できる場所にできればいいかな。

M:それで、おおきくなれれば本当はいいんだけれどね。

カネコ:まあ、得てしてそういうことをやって大きくなっている会社はないです(笑)。

M:そうだよね(笑)。

カネコ:1年後、おなじコトをやっているかといったら、約束は出来ないですけれど。。。芯の部分は変わらないにしても、うまくやっていかないと食えないですから。

M:表現方法が変わるだけだよね。

カネコ:そうじゃないと、いま生き残れないですよ。

M:でも、これだけみんな失業しているなかで、好きなことをやって生きていけるんだから、良いコトだよね(笑)。

カネコ:ホントですよ!

M:好きなことをやっていくっていうのは、すごく重要だよね。
嫌いなことをやっていて、死んじゃったら。。。

カネコ:悔やんでも悔やまれないですよ。

M:あと金もどんどん使うべきなんだよね。
みんな貯めているけれどさ、それでデノミ(リデノミネーション)みたいなことがあったら大変。
100万円を貯めていたのに、その価値が100円になっちゃうとか。。。
他の国では普通にあることだからね。
だってギリシアの国家破産なんか、誰も予想していなかったでしょ?
日本だってさ、中国と一緒になって明日から通貨は”元”でいきますからって、、、あり得なくもないよね。

カネコ:なきにしもあらずですよね。
もしくは、ロシアかもしれないです。

M:中国っていま人口どのくらいだっけ?

カネコ:12億くらいですかね。

M:そこから5億人とか、日本にきたら大変なことになっちゃう。
1億2千万人より多い人数が来たら、ぜったいマジョリティの方が強いもんね。
いままでいろんな王朝とかさ、文化が崩壊してきたように、そういうことってありえるよ。
100年後くらいに「あー、東京ってこんなところだったんだ!」とかさ。

カネコ:それが1年後かもしれないですよ。

M:ねえ(笑)。
遺跡とか見てくると不思議に思うよ。
こんなにでかくて立派な建物を建てたのに、いまはダレもいないって。
新宿の高層ビルに人がダレもいなくて、入場料を取って見せている状態。
でも、長いタームで見たら、あり得ることだよ。
もしかしたら、宇宙人が来て、みたいなね(笑)。

カネコ:だって、江戸に都が移ったのも徳川の時代からですから。
そう考えると、東京の文化も約600年くらいしか経っていないわけで。

M:まだ記憶にあるくらいだもんね。
そこでアーカイブが生きてくる!

カネコ:そういうことです!

M:だから、作品を残すということはすごく重要なことだと思うよね。
本を出して、いろいろな話を聞くけど、作品を出す重要性ってすごく痛感するよ。
末期ガンの人が読んでくれたらしく、すごく感動したって言われて、、、なんか、コトバがないよね。
自分の本を見直すと、なんと陳腐な本なんだろうなって。
そのひとの感受性がすごく高かったんだと思うけど、いちまいの写真を2時間くらい見てくれたらしくって。
だから、作品ってすごくチカラがあるし、無責任にはつくれないって思ったね。
本を読んで会社を辞めたとか、学校を辞めた人はたくさんいるんだけれど。
でもね、けっこう病気の人が読んでくれたりするんだよね。

カネコ:そういう場合は、やっぱり紙の本の方が需要があるんですね。

M:電子書籍も理想のカタチとしては、VOL1から出して、VOL.10までいったら紙を出そうかみたいな感じで考えていて、デジタルに不満を持っていた人は紙を買ってくれればいいかなって。オレ自身が紙を出したいしね。

カネコ:出せるもんなら、僕も出したいですねー(笑)。
でも雑誌を紙で出すのは、お金的な体力がすごく必要ですよ。

M:在庫とかも、物理的に場所がないと置けないしね。
でも、メディアとしては、やっぱりやりたいよ。
そういえば、いま自分の写真をつかって、すでに発売されている人の文庫本の装丁勝手につくっているんだけれど、、、この俺のオリジナルの表紙カバーを本に被せて本屋に勝手に戻しちゃおうかなって(笑)。
まだやっていないけれどね。

カネコ:え!?

M:ドキドキするでしょ(笑)?

カネコ:それはドキドキしますね(笑)。

M:それでさ、ダレかがレジにもっていったときに店員さんが「あらっ、バーコードがない!」って。
で、Sとかイニシャルをどこかに書いておいて、なんとなく証拠を残しておくみたいな。
このアイディアは、ロンドンのグラフィティアーティストで、反社会的なことを唱えている”banksy(バンクシー)”というグラフィティアーティストからインスパイアされたアイディアなんだけれど、その彼がスゴい!
彼が作った作品を有名な美術館にこっそり飾っちゃうとか、やっていることがピリっとしたブラックジョークなんだけれどね。
しかも、大手からの広告を全部断っている人らしく、、、いわゆる反資本主義者なんだよ。
彼のその作品は超パロディーの変な作品なんだけど、見る人は大きな美術館に飾ってあるからというだけで、いい作品なんだと思い込んでしまうだよね。
何ヶ月もここの学芸員も気づかなかったみたいな、、、それってすごく批判的。

カネコ:そこら辺はイギリス的な部分を感じますよね。パンクの精神みたいな。

M:こういうのって日本では許されないよね。

カネコ:そうですね、ロンドンだからジョークで済むというか。。。

M:ブラックジョークというのは、日本ではなかなか通じないよね。

カネコ:「バカにしている!」とか「不謹慎だ!」とか思っちゃうんでしょうね。
完全に感覚の違いなんですよ、笑って済まさない。
例えば、アメリカの大統領選とか、イギリスの議会とかもそうですけれど、かならず、ユーモアを混ぜて相手をコケ落とすみたいなことをするじゃないですか?相手も笑いながら、笑うネタでこけ落とすみたいな。
日本だと「バカにしている」とか、目上の人に向かってみたいなことになる。

M:冗談が通じないんだよね、日本は。

カネコ:まあ、日本はグラフィティも、なかなかアートとして見ないというか。。。
グラフィティと落書きとの境界線は難しいですよね。ヒトによっては落書きで済まされちゃう。
イギリスとは島国ってところで状況的には似ているんですけれど、感覚的な部分が違うんですよね。
メッセージ的なものを強く持つと、日本だと村八分みたいな感じになりますから。

M:そう!圧倒的にマジョリティに流れるよね、日本だと。仕方がないんだろうけれどね。
昔はさ、変わる事にすごく抵抗があったんだけれど、最近は変わるもんだよねってすごく感じるよ。
相手に合わせてコロコロ変わっていくのはダメだけれどね。

カネコ:
それはまた意味が違ってきますけどね。
芯がひとつで、変わっていけばいいと思います。

M:オレもいまは写真だけれど、もしかしたらこのあと筆に出会ったら絵にいくかもしれない。表現方法は変わるけれど、中身は変わらないと思う。
むかしは、ミュージシャンになりたかったけど、そこら辺の想いは基本的に高校のころと変わっていないな。
そういえば、楽器はやらないの?

カネコ:
楽器やりますけれど、自分でやるよりもラジオ番組をやっているというのもありますけれど、音楽を聞く方が好きですね。

M:ラジオをやるっていうのは、すごく憧れだよね。

カネコ:
ボクも憧れていました。





M:そういえば、いまはネットでラジオが聞けるようになったじゃない?

カネコ:
「radiko(ラジコ)」ですよね。

M:ラジオチューナーがないからネットで聞くんだけど、何となく感覚的にだけど、電波で流れて来るラジオのアナログ的なものの方がいいなって。

カネコ:
そういえば、ほんの10年くらい前までは、喫茶店とか洋服屋とかも「FEN」とかラジオを流していましたよね。
それが有線になって、最近はCDとか、mp3になっちゃいましたけど。

M:アメリカってラジオ局がいろいろあるじゃない? ジャンルごとにチャンネルがある。あれくらい日本にも欲しいよね。
法律上できないのかな?商業的には、ふやした方が活気が出ると思うんだけれど。

カネコ:
テレビ局があれ以上増えないというのと一緒だと思いますよ。
でも、それが”UST”とか、”YOU TUBE”とかに移り変わっていくのかもですけれど。
“UST”は、個人発信ができるという点では、いわゆる海賊ラジオ的な感じがしていいですよ。

M:でも、子どものころは、ニッポン放送の『オールナイトニッポン』とかあって、ラジオばかりだったからさ。いいラジオチューナーを買うというのがステイタスだったよね。メモリがあって、ダイヤルを合わせて。。。たまに入る韓国の放送とか聞いて、どこの国なんだろうとか。その神秘性にドキドキしてたよ。
あと『オールナイトニッポン』は、ちょっとHな部分とかがあるから、布団をかぶって聞くとか(笑)。いまは、そういうドキドキ感がないというか。。。

カネコ:
規制とかで厳しくなってしまったんでしょうね。

M:秘密を隠すドキドキ感的なものというか、深夜ラジオとか独特な雰囲気があったじゃない?

カネコ:
そうですね。
ボクも浪人のときは、テレビがなかったので、ラジオとかCDとかで音楽を聞いていたりしましたよ。
やっぱりラジオが面白かった時代ですからね。

M:ポットキャストというのはどうなの?

カネコ:
いま手探り状態なんじゃないでしょうかね。
USTもそうですけれど、気軽に映像を世界に配信できるメディアはたくさんできましたよ。でも、企業的なところで言うと、どれくらい伝えきれるのかとか、どこに影響力があるのかとか。
それに、いま雑誌に広告を出したところで、どれだけ費用対効果があるのかとか、ネットに広告を出してどれだけ効果があるのかとか。
そういう部分に注目が集まっていますけれどね。

M:結局、資本主義の話に戻るのね(苦笑)。

カネコ:
残念ながら、そうなんです。
そこが資本を出してくれないとまわっていかないから、そこに従うみたいな。
あとイメージも大事にしますよね。

M:イメージといえば、iPadの電子書籍って、一度アメリカに企画を出さないといけないらしく、だからバイリンガルで出さないといけないんだって。けっこう審査が厳しいみたい。

カネコ:
まだ混沌とした状況なんでしょうね。

M:過渡期だよ。
オレら遊ばれているだけだよね。

カネコ:
iPadが出ましたけど、みんな何に使っているんでしょうかね。
本を読んだりっていうけれど、それで読まないと思いますよ。
いまの小学生がオトナになったときに、iPadで本を読むのとはまったく違うと思うんですけれど。
どう考えてもいままで紙で読んできた人たちが、電子書籍に移行っていうのは。。。

M:無理矢理読んでいるとしか思えないよね。

カネコ:
そうなんですよ!
もちろんそれに順応できる人もいますけれどね。

M:ちなみにiPadは何台くらい売れたんだえろう?

カネコ:アメリカでは300万台と言っていましたけれど。

M:そうか、けっこう売れたんだね。
それなら、将来的にそれを使って本が読まれるというのも、現実的ではあるかな。

カネコ:そうです。
時代がソッチに動いているのは確かなので。

M:オレiPhoneもiPadも持っていないから、電子書籍をつくるにあたって、買わないとダメかなーって。
そういえば、ビームスで出したTシャツに、写真と「Put your focus on your heart!」というコトバを載せたんだよ。それって、「自分のハートにピントを合わせなきゃ、ダメだよ!」という意味を英語化したもので、「時代にピントを合わせていたら遊ばれるだけ!」という意味。その時代に合わせて動くということも大事なことではあるけれど、やっぱり自分を持たないとね。
ちなみにケータイ電話も何年使っているのかわからないくらい古いやつを使っているんだけれど(笑)。。。

カネコ:
個人的にはケータイは、そんなにスペックが高くても仕方がないなと思ったりしているんですよね。

M:そうだよね!メールと電話だけでいいよね。

カネコ:
あとは軽くネットが出来て、調べものができればいいかなと。

M:日本のケータイは、いろんな機能を詰め込み過ぎて海外で売れなくなったらしいよ。
ガラパゴスケータイって呼ばれていて、世界から取り残されちゃっている。

カネコ:なんでもかんでもついていますもんね。
ケータイのカメラの方がデジカメよりも画素数がいいですから。
それもまた不思議ですけれど(笑)。

M:でも、ケータイって、、、世の中を変えたよね。

カネコ:変えましたねー。

M:
一番変えたのは、中学生とか、高校生くらいじゃないかな。
昔だったら、好きな女の子に電話するにもさ、「オヤジが出たらどうしよう?」とか言うのがあったじゃん?

カネコ:
ありましたねー(笑)!

M:
アレがなくなったよね。

カネコ:
いまはダイレクトに個人につながりますからね。
そのドキドキ感はなくなりましたね(笑)。

M:
ないでしょ!いま、いちばん重要なのってソコなんだと思う。
ラジオ局の一番はじっこの曲を聞いたり、布団の中で聴いたり。。。
ニューヨークのハドソン川の危険なところでパーティをやる”ドキドキ感”みたいなのって、大事だと思うんだよ。
「オヤジが出たらどうしよう?」とかさ。。。すごくテンションあがるよね(笑)!
で、出ちゃったとき(笑)。

カネコ:
何を話せばいいんだ!?って(笑)。

M:「誰だ、お前!」とか言われたりしてさ(笑)。。。
まったく世の中変わっちゃったよ。

カネコ:
180度変わったんじゃないですか?
いまは、ほぼひとりに1台、ケータイを持っていますよね。

M:それを悪用しているヒトもいるし。
今の小学生って警報機を持って歩いているんだよ。
嫌な世の中だよね。
子供に携帯を持たすか、持たさないかみたいなもんだいもあるよね。

カネコ:
心配事が増えますよね。

M:そう!
ゲームはどうするんだとか、、、難しいよね。
ゲームなんかやらない方がいいんだけれどさ、マジョリティが持っているとね。。。

カネコ:
まわりの話についていけなくなっちゃうのは、逆に可哀想ですからね。

M:本当はついて行かなくていいって、オレらは分かっているんだけれど、小学生くらいだとわからないよね。世界レベルでみたら、べつにそんなことはどうでもいいコトなんだけれど、彼らはまだ世界が狭いからさ。
でも、一日中家でテレビゲームばかりやっている子にはなってほしくないな。

カネコ:
それはボクもイヤです。
でも、1年後には世界がどうなっているかなんて、全然見えないですね。自分もどうなっているかが見えないし、世の中的にも見えないですよ。いろいろありますよね。
ボクも、いまはいろいろやっていて楽しいですよ。

M:そう!楽しい方がいい!!
だって、楽しくなかったら、、、楽しくないもんね(笑)。

カネコ:
最近は、つまらない人生を送りたくないなって。
つらかっただけとか。。。


(その4へつづく)






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『NO TRAVEL, NO LIFE』



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須田 誠(すだ・まこと) プロフィール



フォトグラファー。
34歳のとき、10年間のサラリーマン生活で築いた地位・安定・守りを全て捨て、呼ばれるように世界放浪の旅に出る。その旅の途中、安く売られていた一眼レフを手に入れ、首からカメラを下げた旅行者を見つけては使い方を聞きながら独学で写真を撮り始める。
写真は自分自身であり、旅そのものでもあり遊びの一環でもある。
2004年夏、東京都写真美術館内のカフェにて写真展を開催し好評を博す。
現在までに31カ国を旅し、人物を中心に撮影している旅人・フォトグラファー。
ファッション誌DUNE編集長・林文浩氏、旅学編集長・池田伸氏、EXILE・USAらから高い評価を受ける。
『NO TRAVEL, NO LIFE』にて2007年デビュー。
雑 誌『月刊EXILE』、雑誌『旅学』創刊号表紙、『FUNKIST(ポニーキャニオン)』、高橋歩『World Journey(10万部)』に多数写真提供、『rega(ビクターSOPHORI FIELD COMPANY)』らアーティスト写真撮影、NHK BS-1『東京ファッションエクスプレス』他、人物撮影を中心に様々な分野で活躍。
BEAMS Tから須田誠オリジナルTシャツも発売。
またファッション専門学校VANTAN、自由大学などで、講義、文筆活動、ワークショップなども精力的に行う。

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