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ブラインドからのぞき見た世の中 : July 31, 2014 @ 16:24

ブラインドからのぞき見た世の中 VOL.117『カラっぽの民主主義』



最近、「ホントの民主主義ってナンだろう?」とよくかんがえます。


自分もふくめてよくこの「民主主義」というコトバをつかいますが、
じっさいの「民主主義」というものを、
じつはしらなかったりするワケですよ。


欧米などの、とくにアメリやイギリスなどの文化やシーンを見ることによって、
なんとなーく「民主主義とは、こーなんじゃないかなー」と、ぼんやりと曖昧な理解しかしていない。

もしくは、小、中、高の教科書に載っている、まさに”絵に書いたモチ”的な、お手本的民主主義。


ただ、生まれてこのかた、このニッポンの現状は、
「民主主義」にちかいモノのかなーとおいう考えではありますけれど。

とはいえ、いったいどれだけのニッポン人が「民主主義」というモノを理解しているのか、、、
わからないですよねー。


ニッポンの政治学者で、思想家の”丸山眞男(まるやま まさお)”氏は、
民主主義とは「永久革命としての民主主義」と説いています。

つまり、「民主主義」の概念は時代によって動きつづけ、変わっていくと。。。


この丸山氏。

戦後直後から「民主主義とは?」をさまざまな場所で講義し、
そこで”民衆は常に政治に問い続ける姿勢であるべき”だというコトをおしえています。

「もし、民衆が政治に無関心になるのであれば、政治家は独裁家となり、ボス化する」と。

なるほど、、、たしかに、いままさにボス化しはじめた状況になりはじめているのかなと。

先の「憲法解釈変更における集団的自衛権の行使容認」の閣議決定は、
まさにそんな感じだったように感じました。


そういえば、戦後すぐ、現在とまったく似た状況がありましたね。

ときの首相、”岸信介”が、「日米安全保障条約・新条約」の調印・批准をし、
1960年に国会で強行採決。

さまざまな市民による反安保運動が、いわゆるデモですが、
それが次第に過激になり、闘争にまで発展したという、
あの「安保闘争」です。


ちなみに”岸信介”といえば、現在の安倍首相のおじいさんにあたる人というのは周知のコト。

やっぱり、”カエルの孫もカエルだった”というコトでしょうかね。


ただ、その後の状況としてちがったのは、安保条約が国会で強行採決された直後に、
世の中に起きた混乱の責任をとって、岸内閣は総辞職。


ま、そうではあっても「安保新条約」は撤回はされませんでしたれどね。

半世紀前の条約によって、いま苦しんでいる人もいるワケです。


ちなみに、今回の集団的自衛権行使の反対運動もガンバってはいたのですが、
世の中の混乱まではいってないですから。

じゃあ、混乱させれば、安倍内閣を総辞職まで追いこめたのか?という話までいっちゃうワケで、、、
さすがに混乱するまでやるのはドーカともおもいますけど。

民衆の興味が、、、というよりは、民衆による政治力がつよかった時代なんでしょうね。


いまでは、すっかり骨抜き、というか興味が持てないんでしょうか。

コレは、どんどんボス化の一途を辿ってしまうような気がします。


川内原発の再稼動予定しかり、
福島第一原発事故の処理問題しかり、
集団的自衛権の行使しかり、
泡のようにはじけはじめているアベノミクス効果しかり。。。

それをワレワレの次の世代まで、そのまま放置していて、ホントにいいのでしょうか。

ダレも責任をとらないニッポンの政治システム。


「主権はダレなんだ!?」とは、
“ヤメ蚊(ぶん)”さんことジャーナリストの”日隅一雄”さんのコトバですが、
コレこそがまさにいまのニッポン人が考えなければならない「民主主義」なのでは。

みなさんは、いまのニッポンの民主主義をどのように見ていますか?




エミ・マイヤー「約束」



旅路 良



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