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Movie Life : August 1, 2019 @ 16:18

MOVIE LIFE 161『メランコリック』


ダレかが言った、『いや~、映画ってホントいいものですね!』と──。

いまも世界中のヒトたちを魅了しつづけ、そして夢の世界へと誘う”銀幕の世界”。 この”MOVIE LIFE”では、無駄に映画好きであるワタクシが、コレから公開予定の映画を中心に、コメントと評価を交えながらご紹介していきます。

(評価は5段階、☆の数で示されます)



MOVIE LIFE 161『メランコリック(英題:Melancholic)』



巻き込まれたのはカレだけじゃない!



□ストーリー

名門大学を卒業後、うだつの上がらぬ生活を送っていた”和彦”。

ある夜たまたまおとずれた銭湯で高校の同級生”百合”と出会ったのをキッカケに、
その銭湯ではたらくこととなる。

そして和彦は、その銭湯が閉店後の深夜、
風呂場を「人を殺す場所」として貸しだしているコトを知る──。





□オレ意見
評価:☆☆☆☆☆(満点は5個)


この映画を、どんな映画なのか表現するのには、じつはとても困ったのだ。

サスペンス?コメディ??いやハードボイルド???
はたまたロードムービー?ウーン、、、ロマンティックな恋愛ムービーか。。。

いや、これはヒトの生活そのものを描いた作品なのだ。

ヒトの生活って、当たり前だがさまざまなジャンルがミックスした、
ゴジャゴジャなハズ。

だからこそ、簡単には説明などつけられない。

そんななかで、ごくフツーのヒトビトを描いた日本の映画としては、
かなりニヤリ度(おもわずニヤリっとしてしまう部分)が高い、
いや最高レヴェルのスノッヴでブラックなコメディといえる。


フツー日本産のこの手の作品だと、
売れスジのお笑い芸人とかつかったりなんかしちゃって、
大ゲサなおバカ系にはしりガチで、
ムリヤリなカラダを張った飽和状態の”笑い”にニヤリ度は低くなり、
正直飽き飽きしてしまうのだ。

コピーなんかも「世界が笑った!」とか、
「笑撃の!?」とか、
「涙アリ、笑いアリ、お色気アリ?」とか、
大ゲサなコトバがムダにつかわれちゃったりするよね。


しかし、本作では、そんなムリしたお笑いのシーンはほぼほぼ、、、
いや、ほとんどナイ。

むしろ、そういうヤンゴトナキ状況に巻き込まれたフツーのヒト、
いわゆるプロじゃないシロウトのヒトのアタフタする姿が、
ありガチでオモシロい、、、というか、
「実際に巻き込まれたら、たぶん、おそらくこうなるよね?」という感じで、
自分の予想と重なって、それがおもわずニヤリっとしてしまうのだとおもう。

とにかく、主人公の”和彦”くんのぼんやり具合だったりは、
自分自身がその状況におちいったときの予想図だったりするのだ。

ハリウッド映画などでも、
フツーのヒト、つまりシロウトがそういうヤンゴトナキ状況に巻き込まれる作品は多数あるが、
だいたいは、ナンダカンダとプロなみにうまくやりこなしてしまうという、
おざなりのハナシの結果にうんざりしていただけに、
「等身大の問題児キターーーー!!」と、
おもわずココロがオドってしまったのはワタクシだけだろうか。


注目は、いろんなコトがツナミのごとくおそってきたにもかかわらず、
精神的な成長を遂げていく”和彦”くんの姿。

涙がとまらない、ニヤリ顔がヤメられない。。。

巻き込まれたのは”和彦”くんではなく、
むしろ、この作品を観たアナタ自身なのかもしれないね。


トにも、カクにも、
ヒョンなコトがキッカケで、
そのヒトの人生が急変するコトだってアルってコトなのだ。









2019年8月3日よりアップリンク渋谷&吉祥寺ほか、全国順次ロードショー!

『メランコリック』





監督・脚本・編集:田中征爾

出演:皆川暢二/磯崎義知/吉田芽吹/羽田真/矢田政伸/浜谷康幸/ほか

製作:OneGoose
配給:アップリンク/神宮前プロデュース/One Goose


『メランコリック』オフィシャルサイト:https://www.uplink.co.jp/melancholic/





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