Interview : March 11, 2011 @ 14:09
サイモン・テイラー インタビュー(後編)──『Low-Pro』とは
さまざまなクリエイティブ ワークスで世界を納得させる英国のクリエイティブ・カンパニー”TOMATO”の創設メンバーでもあるクリエイティブ・ディレクタ—のサイモン・テイラー。
彼が、あらたにジャパン コンシャスなプロジェクト『Low-Pro(ロウ・プロ)』を立ち上げた。
第一弾のプロダクトとして自転車メーカー『FUJI』とのコラボレーションバイクを発表し、今後は”インテリジェントこそクールで危険なもの”という考えのもと、プロダクトのほかにもさまざまなプロジェクトを展開していく予定らしい。
ひきつづき、サイモンに『Low-Pro』についてのお話を中心に、クリエイティブなど”表現”することへの自身の考えなど、いろいろとお話を伺ったインタビューのつづき。
表現することへの挑戦──
─現在、ロンドンでの自転車の文化はいまどんな状況なのでしょうか?
たぶん、ロンドンだけではなく、どこでもいまはそういう状況だとは思うよ。
2009年は、ソウル(韓国)に行ったけど、日本とあまり状況は変わらなかったかな。バンコクでもそうだったし。。。文化が浸透していると思うね。
そういえば、最近、読んだ本で面白い記事があって、固定のシングルギアの文化ってじつはニューヨークではじまったんだよ。もともとはカリビアンが”クーリエ”として、メッセンジャーとして働いていたんだけれど、彼らはお金がなかったので、いろいろなパーツの心配がないものとしてシングルギアを利用していて、それがメッセンジャーカルチャーとして広まっていったという話。
そんな話だったんだ!って、すごく面白かったよ。
─なるほど。
ちなみに、これから他のプロダクトも作られるとのことですが、どのようにしてこのプロジェクトを進められていくですか?
いまは、自転車の周辺のプロダクトをいくつか作ることを考えているよ。あと、アパレルブランドとかメーカー、企業からも興味を持ってもらっていて、現在進んでいる企画もいくつかあるし。
いま、考えているのは、ブランドイメージをつくることだね。そこが出来上がれば、自分が意図しなくても、広がっていくからさ。理想は、プラットフォーム化させること。
プロダクト自体は何でもよくて、自分たちが興味があったり、面白いと思うものを作れるようなプロジェクトにしていきたいね。


─『Low-Pro』のひとつのテーマに「インテリジェントこそクールでキケンなもの」というコトバがありましたが、コレはどういったインスピレーションからきたコトバなのでしょうか?
このコトバのおもなコンセプトは、「いつも流行りを追っていても面白くない、メジャーな動向から離れるための”何か”が必要だ」というコト。
べつに、ボクはそんなにキケンじゃないけどね(笑)。

─デザインだったり、映像だったり、プロダクトだったりと、いろいろな”表現”をされていますが、現状、世の中的には表現を規制するような動きだったり、法律を持っている国なんかもあります。
表現をする側として、それについてはどのように考えますか?
基本的には、アーティストはつねにそれにチャレンジしていくものだと思っているよ。
映画監督の鈴木清順さんという人がいるんだけれど、彼のコトバでこんなのがあって、、、「すべての映画は毒されている」。
その映画によって何かを発すれば、まるで病原菌が広がっていくようにヒトビトが影響されるという意味。それがアーティスト、いわゆる表現者と、それを消化、消費していく社会との関係であると、彼は言っているんだ。
だから、そのなかで”制限”に対抗していかないければ、戦っていかなければならないというのが、アーティスト。つねにそうあるべきだと思っているよ。
─アナタにとってトーキョーというのは、どんな街なんですか?
それは”ひとこと”じゃいいきれないなー(笑)。
表面的にはトーキョーはとても、輝きだったり、モノだったり、とても完成されているよね。人口がとても多いし、過密的だと思う。でも、社会をキチンと形成しているところがスゴいよ。他にも人口の多い都市は知っているけれど、あまり機能はしていないよね。
それに、これは日本全体の話しになってしまうけれど、日本人が持つ”日本の伝統文化”に対する”思い”というのは、たぶん、ボクらイギリス人の自国への”思い”よりも強いと思うんだ。
だから、ソレから来るアイデンティティというか、意識や感覚がすごく強いと思う。
そこが面白いと思うよ。
─なるほど、その違いはドコにあると思います?
いちばんの違いは、ロンドンはもっと雑多な民族の集まりなんだ。いろいろな文化の影響をウケながら成り立ってきた国で、日本と比べても他からの影響はすごく強かったと思うよ。
歴史的な部分も含めて、日本ではそうではなかったから、培われてきたものがもっと強く感じるよね。
コレは、、、やっぱり”ひとこと”では言いきれないな(笑)。
─いや、しっかり理解できましたよ(笑)!
難しい質問にも答えていただき、ありがとうございました。
こちらこそ、ありがとう!
(おわり)
□サイモン・テイラー(Simon Taylor)プロフィール
イギリス出身。
バース芸術大学、ロンドンカレッジ・オブ・プリンティングBA グラフィックアート科卒業。
創立メンバーとして所属するTOMATOは、グラフィックデザインや映像もとより、ファッション・建築界隈に与えた影響力は計り知れず、いまや世界屈指のクリエイティブ集団として知られている。
TOMATO
http://www.tomato.co.uk/
□Low-Pro
http://www.urban-research.com/special/lowpro/
This entry was posted on Friday, March 11th, 2011 at 14:09 and is filed under Interview. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. Responses are currently closed, but you can trackback from your own site.












