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Daily Life w/ Music : May 25, 2011 @ 20:22

FILE 064 PIZZICATO ONE 『11のとても悲しい歌』


ディスクレビュー コーナー『日々是音楽』では、”トーキョー マガジン”が最新の音楽情報を独断と偏見で、自信を持っておススメするいちまいを紹介していきます。



FILE 064 PIZZICATO ONE 『11のとても悲しい歌』


来ましたよ、ついにこの方のソロが!

90年代初頭から日本の音楽シーンを盛り上げ、まさに一世を風靡したムーヴメント「渋谷系」の中心的グループ”PIZZICATO FIVE(ピチカート・ファイヴ)”のリーダー、小西康陽のソロプロジェクト、その名も”PIZZICATO ONE”。


ひとりだから”one”なんだろうな、とりあえずは。


「渋谷系」と言っても何が何だか分からない方のために簡単にご説明すると、”コーネリアス”の小山田圭吾と小沢健二の”フリッパーズ・ギター”や、田島貴男率いる”オリジナル・ラブ”など、ギターサウンドを中心としたバンド編成で、当時はもっともオシャレとされていたサウンドであった。
“スチャダラパー”なんかも「渋谷系」に部類されて活躍していて、現在の和製ヒップホップカルチャーの火付け役であることは周知の事実。

その中でも、”PIZZICATO FIVE”は、野宮真貴をヴォーカルとし(元々は田島貴男がヴォーカル)、とりわけ海外のファッション、映画、音楽関係者から絶大な支持を得て、ワールドワイドに活動。
しかしながら、2001年3月31日に惜しまれつつも解散し、そのまま「渋谷系」というカルチャーも縮小していった。。。という感じで、ひとつの歴史として残っている音楽ムーヴメントだ。


“PIZZICATO FIVE”解散後は、音楽プロデューサーとして、いろいろな人をプロデュースしていたのも周知のことだと思うが、10年が経ってここに来てやっとソロを出すことになったとのこと。


音を聴いたら驚く人が多数だとは思うが、コレはまごうかたなきジャズ!
それも洋楽のカヴァーときたもんだ。


小西さんと言えば、「慎吾ママのおはロック」的サウンドを思い出す方もいると思うが、とにかくスタンダード風味のジャズ。

コレが、、、スゴくイイ!


テンポも、スローからミドルまで。。。

夏木マリのアルバムっぽさはあるかも。


タイトルの『11のとても悲しい歌』のとおり、”11″の悲しい名曲を、世界中から集められた11人の個性的ヴォーカリストが歌う。


オランダのジャズボーカリスト”WOUTER HAMEL(ウーター・ヘメル)”、日本人の父とスウェーデン人の母をもつ”MAIA HIRASAWA(マリア・ヒラサワ)”、アメリカのミュージシャン”ROGER NICHOLS(ロジャー・ニコルス)”、ブラジルの雄”MARCOS VALLE(マルコス・ヴァーリ)”などなど。
ジャンル問わず、まさに世界中のミュージシャンが参加している。


個人的に特におススメは、”MARLENA SHAW(マリーナ・ショウ)”が歌う、ジョン・レノンの「IMAGINE」のカヴァー。
“MARLENA SHAW”といえば、往年のフリーソウル ファンにはお馴染み!
そんな彼女が、ロートーン・ヴォイスで歌い上げる「IMAGINE」が、いぶし銀のごとくにぶく光っている。


歳を取ったからなのか?もしくは、こういう音楽が世の中から減ってきているからなのか?ほかの人はどうだか分からないが、こういう音楽に飢えている自分がいるのは確か。
とにかく、そんな自分の渇いたノド、いやミミを潤してくれるアルバムだ。


かなりオトナなサウンドではあるが、ジャズ好きでも、ジャズ好きでもなくても、「渋谷系」であっても、なくても、とにかく必聴のいちまいだと思う。




PIZZICATO ONE
『11のとても悲しい歌』


レーベル:UNIVERSAL(UCCU-1320)
価格:¥3,000(税込)

発売日:2011年5月25日


□トラックリスト

01. to learn to sleep alone (KONISHI YASUHARU)
02. ONE (HARRY NILSSON) feat. ROSEY
03. IMAGINE (JOHN LENNON) feat. MARLENA SHAW
04. A LITTLE BIT OF SOAP (BERT RUSSELL) feat. NICOLE WILLIS
05. I WANNA BE LOVED BY YOU (BART KALMAR – HERBERT SHOTHART – HARRY RUBY) feat. WOUTER HAMEL
06. BANG BANG (SONNY BONO) feat. MAIA HIRASAWA
07. A DAY IN THE LIFE OF A FOOL (CARL SIGMAN – ANTONIO MARIA – LUIZ BONFA) feat. GWYNETH HERBERT
08. IF YOU WENT AWAY (RAY GILBERT – PAULO SERGIO VALLE – MARCOS VALLE) feat. MARCOS VALLE
09. MAYBE TOMORROW (ALAN & MARILYN BERGMAN – JERRY GOLDSMITH – QUINCY JONES) feat. CHRISTOPHER SMITH
10. SUICIDE IS PAINLESS (MIKE ALTMAN – JOHNNY MANDEL) feat. ROGER NICHOLS & THE SMALL CIRCLE OF FRIENDS
11. IF WE LIVED THE TOP OF A MOUNTAIN (LES REED – BARRY MASON) feat. ERIC MATTHEWS
12. A LONG HARD CLIMB (RON DAVIES) feat. ROY PHILLIPS


UNIVERSAL MUSICオフィシャルHP:http://www.universal-music.co.jp/jazz/j_jazz/pizzicato_one/


Readymade オフィシャルブログ:http://www.readymade.co.jp/journal/



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